世界のモバイルコマースの市場規模は今後も拡大(Mの時代)

2014年6月19日7:41

世界のモバイルコマースの市場規模は今後も拡大へ
ネットからリアルまで多彩な決済が可能なモバイルへの注目が高まる

Mの時代(第一回)

モバイルコマースの世界の市場は、2011年度の2,400億ドルから2015年度には6,700億ドルに拡大すると言われており、スマートフォン等を活用したサービスも続々登場している。TIプランニングでは、日本と世界のモバイルペイメントの動向を凝縮したレポート「モバイルペイメント要覧」を発行する。レポート内では、今後の決済のキーとなるモバイル分野について紹介している。そこで、今回から「M(モバイル)の時代」と題し、モバイル決済市場について何回かにわたり紹介する。

第一回目となる今回は、ここ50年で大きな変化を遂げた、世界の決済(ペイメント)の歴史について振り返りたい。

世界各国でスマートフォンと連携した決済ソリューションが登場(画像はCARTES2013)
世界各国でスマートフォンと連携した決済ソリューションが登場(画像はCARTES2013)

まず、1958年に米国で、当時世界最大の銀行であったバンク・オブ・アメリカによる世界最初のプラスチックカードによるバンククレジットカードとアメリカン・エキスプレスによるT/Eのチャージカードという2つのペイメントカードが発行された。1960年には、IBMにより磁気カードが考え出され、7年後の1967年にはATM(Auto Teller Machine)とATMカード(キャシュカード)が登場し、1980年にはATMカードによるカード決済が可能なデビットカードが発行された。さらに、1974年にはプラスチックカードにマイクロチップを埋め込んだICカードが発明され、1995年にIC電子マネーが生まれ、2000年にはクレジットカードやデビットカード、ATMカードなどのEMVスタンダードによるICカードの実用化がスタートしている。

一方、第2次世界大戦の戦中・戦後に通信技術は大きく発展し、1945年にRFID(Radio Frequency Identification)のテクノロジーが生まれ、軍事通信技術として1960年代から開発されてきたインターネットはおよそ20年前の1995年から商業化が始まった。また、1997年にはWAP(Wireless Application Protocol)1.0が生まれた。同じ1997年には、香港で日本のソニーのテクノロジーを用いたコンタクトレスICカードによるIC乗車券「オクトパス」(Octopus、蛸)がリリースされた。2002年にはソニーやNXPによるNFC(Near Field Communication)のスタンダードが公表。2004年にはソニーの「FeliCa」のテクノロジーによる近接(Proximity)型のモバイルペイメント「おサイフケータイ」、2007年にはアフリカ・ケニアにおけるSMSを用いた遠隔(Remote)型のモバイルペイメントがスタートしている。2010年には、「Squareレジスター」や「PayPal Here」などのカードリーダをスマートフォンやタブレット端末機のミュージックジャックに装填し、高機能のカード決済端末機として用いるモバイルPOSペイメントが登場した。国内でも2010年にフライトシステムコンサルティングが、日本初となるiPhoneを活用した決済ソリューションを開発し、その後参入企業が続々と登場している。

このような流れを経て、対価の支払いや決済にスマートフォンやタブレット端末機などのモバイルデバイスを用いる“モバイルペイメント”が生まれ、今後さらなる成長を遂げると思われる。モバイルペイメントの支払い方法は、電話料金、クレジットカード、プリペイドカード、デビットカード、銀行口座、モバイル財布、SMS、非接触型(NFC/FeliCa)、QRコード、モバイルPOSなど、ネットからリアルまで多岐に渡っている。「モバイルペイメント要覧」では、そういったモバイル決済の動向を紹介する予定だ。

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