2014年9月5日8:16韓国大手通信事業者KTのNFCアプリケーションをサポート国内では円谷プロダクションと提携し、「ウルトラワレット」を提供
Ui2は、韓国の大手通信事業者KTへNFCに対応したアプリケーションなどの提供を行っている。また、国内でもNFCサービスの企画・開発、大手通信事業者へのコンサルティングサービス等を展開。すでに円谷プロダクションと提携し、人気キャラクターのウルトラマンをモチーフにしたスマートフォン向けアプリ「ウルトラワレット」を提供している。
2010年からKTのNFCアプリ開発を支援
iOS対応のiCarteベースのアプリケーション開発もサポート
Ui2は、RFID(Radio Frequency IDentification)を活用した物流向けのトラッキングシステムを提供している。すでに韓国の有名な食品会社のバックエンドシステムなどで利用されている。NFCについては、2010年から韓国・大手通信事業者のKTと連携してアプリの開発を支援している。
当初は、韓国標準のアプリプラットフォームであるWIPI(Wireles Internet Platform for Interoperability)に必要なNFCライブラリ「KT olleh touch NFC」のアプリケーションをKTに対し提供していた。
また、KTはiPhoneにNFCの専用ジャケット「iCarte」を装着してサービスを展開していたが、iCarteベースの「KT olleh touch NFC」のアプリケーション開発をサポートした。さらに、iCarte導入段階の技術検討からアップル端末の検証を行った。
「iOSは当時、韓国ではどの企業も提供したことがありませんでしたが、Ui2がアプリケーションの開発を支援しました。また、Androidのアプリも提供しました」(Ui2 ビジネス・デベロップメント本部 本部長 木下直樹氏)
KTでは、さまざまな機能を格納できるウォレットサービスを提供しているが、アプリケーション開発とプリロードをサポートしている。
KTとNTTドコモの日韓クーポン連携もサポート
KTのO2Oアプリ「Moca Tree」のアプリ開発を支援
2012年4月には、KTが日本のNTTドコモと連携し、日本と韓国でクーポンの連携を行ったが、その展開をサポート。日本では京王百貨店などでクーポンの提供を行った。
そのほか、2012年2月にスペインで開催されたGSM主催のイベント「モバイル・ワールド・コングレス2012」では、KTドアロックサービスのデモアプリケーションとサーバを提供した。
最近では、KTが展開するO2Oアプリ「Moca Tree(モカ・トゥリー)」のアプリケーション開発を支援している。「Moca Tree」は、広告収益が柱となり、KTと一緒にビジネスモデルを構築したそうだ。
韓国では、数多くのNFCアプリケーションが提供されているが、現在は若干機運が下がっている状態であるという。Androidスマートフォンの多くにはNFC機能が搭載されているが、市場の流れとして、iOSへの機能搭載に期待しているそうだ。仮にiOSにNFC機能が搭載されれば、韓国市場に普及している主要なスマートフォンのすべてでNFC対応が実現するからだ。
ウルトラマン商店街で「ウルトラワレット」活用のスタンプラリーを実施
モバイル非接触ICサービス普及協議会の事務局も担う
なお、日本法人では当初、ECサイト構築等を中心に事業を行っていたが、木下氏がジョインしてからは、本格的にNFCサービスを展開するようになった。すでに、キャリアに対してNFCのコンサルティングサービスを実施。また、2013年11月には、円谷プロダクションおよびモバイルNFC協議会(旧:モバイル非接触ICサービス普及協議会)と連携し、世界初となるNFC対応スマートフォン向けのキャラクターベースワレットアプリ「ウルトラワレット」を活用したスタンプラリーサービスを、小田急小田原線・祖師ヶ谷大蔵駅を囲む「ウルトラマン商店街」において実施した。
木下氏は、「前回は期間限定でスタンプラリーを行いましたが、現在は進化したO2Oアプリを構築中です」と説明する。なお、Ui2は、モバイルNFC協議会(旧:モバイル非接触ICサービス普及協議会)の事務局業務も担っている。
今後の目標としては、「アプリで近い将来、億単位の売上を達成させたい」と木下氏は意気込む。カード会社や銀行にとってもNFCを使ったアプリは需要があると考えている。特に「『ウルトラワレット』のようにノンペイメント系のアプリは押していきたい」そうだ。将来的に、タイやインドネシアなど、ウルトラマン認知度が高いアジアの地域でもサービスを展開していきたいとしている。
※本取材は2014年6月に行われました。