2014年11月27日9:10
ビットコイン取引所「Kraken(クラケン)」を運営する米国・ペイワードは、2014年11月26日、破産手続き中のビットコイン取引所である「MTGOX(マウントゴックス)」の破産管財人である小林信明弁護士と、破産手続きの支援等に関する契約を締結したと発表した。
MTGOXは、顧客のビットコインを大量に消失し、約65億円の負債を抱えて破綻した。現在も債権者は10万人以上世界中にいるそうだ。
同契約により、ペイワードは、MTGOXの支援企業に就任し、同社の破産手続において、破産財団及び破産債権者のために、①紛失盗難した可能性があるとされるビットコインの調査への協力、②債権届出・調査システムの構築への協力、③ビットコイン又は現金による配当への協力、④ビットコインの換価が必要な場合の換価の協力等の支援――を実施する。Krakenの技術者が保有する取引に利用される暗号技術などの知見を活用するという。小林氏によると、紛失したデータについてはトーマツのフォレンジックチームで調査を行っているが、それに加えてビットコイン取引所、さらに専門性を有するペイワードの助言を得ることで調査が進むとしている。
ペイワード CEO ジェシー・パウエル(Jesse Powell)氏は、「ペイワードはお客様を第一にするという哲学で事業を展開していますので、コミュニティで被害に遭った方々の最善になるようにサポートしたいと思います」と話す。また、「弊社の専門を生かして、ビットコインの信頼性が確保されて、市場が健全に発展していくことが業界の発展にもつながります」としている。
なお、ペイワードの所在地はサンフランシスコで、ユーザー数は約10万人 (2014年11月20日現在)となる。ユーロ取扱高世界1位の取引所となっており、1日3000ビットコインの取引量があるそうだ。Krakenは円の取り扱いもスタートしており、日本法人のPayward Japan 代表 宮口礼子氏によると、事業を開始して間もないこともあり、現状は1日当たり20ビットコイン程度の取引量であるそうだ。なお、決済サービスとしてはKrakenと業務提携したコインパスがビットコイン決済サービス「CoinPass決済」をリリースしている。