2015年2月9日7:44オンラインプリペイドカードが拡大する中国市場は?銀聯ブランドのカードのほか、クローズドカードも発行される
キャッシュレス化が進む中国では、銀聯ブランドのオープンループのオンラインプリペイドカードの発行も行われているほか、銀行以外のノンバンクによるオープンループの多用途のオンラインプリペイドカードやデパートやスーパーマーケット、専門店などが個別に発行する単一用途のクローズドループのオンラインプリペイドカードも急速に拡大している。
クローズドカード、オープンループカードが発行
近年中国経済の発展に伴い、銀行口座にリンクしたデビットカードやクレジットカードなどのバンクカードが都市部を中心に普及している。一人当たりのGDPは、中国全体では2013年度で6,958ドル(約70万円)であるものの、一人当たりのGDPが2万ドル(約200万円)を超えているといわれている上海や北京、広州、深センなどの都市部を中心に急速なキャッシュレスが進んでいる。また、従来デパートなどで発行されていた紙製の商品券やギフト券は、プラスチック製の単一用途のクローズドループの単一用途のオンラインプリペイドカードにとって代わられているという。
中国で現在発行されているプリペイドカードを大きく分類すると、単一用途のクローズドループ、多用途のオープンループに分けられる。
単一用途のクローズドループのオンラインプリペイドカードは、デパートや専門店などの事業者が発行する自店での支払いのみが可能なカードである。欧米や日本で発行されているこうしたクローズドループのオンラインプリペイドカードはギフトユーズがメインであるが、中国では250元(約4,500円)で300元(約5,400円)分の買い物ができるというような販売促進がメインのプリペイドカードも多く、ギフトユーズのほか、自己利用も多いといわれている。
多用途のオープンループのオンラインプリペイドカードには、ノンバンクの専門の事業者が上海や北京、広州、深センなど主要都市において“商銀通”、“便利通”、“Smart Pass”、“得士”などの独自ブランドで発行するプリペイドカードで、オンライン・オフラインの独自の複数の加盟店で利用できるプリペイドカードと中国銀聯のブランドのプリペイドカードを中国銀聯に加盟する銀行などの金融機関が発行するものがある。後者の中国銀聯のプリペイドカードには、中国元のほか、香港ドルなどの外貨建てで発行されているトラベルカードがある。
中国のプリペイドカードに関する規制は大きく2つ
中国のプリペイドカードには、使い切りのカードとリチャージが可能なカードがある。さらに、カードホルダーを特定する「記名式カード」とカードホルダーを特定しない「無記名カード」がある。
なお、中国のプリペイドカードに関する規制は、商務省が所管する単一用途のクローズドループのオンラインプリペイドカードを規制する“単一用途商業プリペイドカード管理法”と中央銀行である中国人民銀行が所管する多用途のオープンループのオンラインプリペイドカード“非金融機関決済サービス管理法”の2つがある。
「世界のプリペイドカード市場要覧」では、中国のプリペイドカードの種類や規制、単一用途や多用途のプリペイドカード、銀聯ブランドのオープンループのプリペイドカードなどについて紹介している。