2015年6月19日8:59
TIプランニング ペイメントナビ編集部は、2015年6月19日に、「拡大する電子決済市場の現状と今後の注目点」と「ブランドデビットカード最前線」の2本のセミナーを開催した。
午前中に開催された「拡大する電子決済市場の現状と今後の注目点」では、矢野経済研究所 ICT・金融ユニット ペイメント担当 研究員 髙野淳司氏が登壇。同氏は、国内の決済サービスの現状や今後どのような決済サービスが主流になるのかといった点について解説した。
具体的には、決済サービスの市場概況、決済サービス別市場概況(サービス概要やビジネスモデル、市場規模、新サービスとの連携など)、ECと決済、新決済ソリューション、:ID決済・モバイルウォレット 決済・モバイルウォレット、プリペイド決済(非接触電子マネー、サーバー管理型電子マネー :サーバー管理型電子マネー市場、ブランドプリペイド、ネットワーク電子マネー)、デビットカード市場、将来予測と注目市場・企業などについて解説した。
午後には、楽天銀行、千葉銀行、ジャパンネット銀行が登壇した「ブランドデビットカード最前線」セミナーを開催。国内でイシュアとして展開する金融機関が、サービスの特長や今後の可能性について紹介した。
最初に登壇した楽天銀行は、代表取締役社長の永井 啓之氏が登壇。永井氏は、まず日本の銀行のデビットカードの歴史、同行のデビットカードの歴史と概要について紹介。同行では、国内でいち早くVisaブランドが付帯されたデビットカード「楽天銀行デビットカード」を発行し、2015年4月20日には「楽天銀行デビットカード(JCB)」の発行も開始している。また、講演では、デビットカードとクレジットカードの比較、日本のデビットカードの課題、デビットカードビジネスと銀行についても取り上げた。
続いて、ジェーシービー(JCB)と提携し、国内で初めてJCBブランドのデビットカードである「ちばぎんスーパーカード<デビット>」の取り扱いを開始した、千葉銀行 個人営業部 尼野俊一氏が講演。同氏は、クレジットカード本体発行の経験と成果、利用率の向上を目指す「地域優待サービス」の取り組み、クレジットカードを持てない・持ちたくない層へのアプローチ、デビットカードの検討から導入までの成果について、実際にサービスを運用した経験からわかりやすく紹介した。
最後の講演は、ジャパンネット銀行 個人事業部 決済商品グループ部長代理 小谷卓氏が担当。同氏は、法人サービスで差別化を図る「JNB Visaデビット」の取り組みについて紹介した。同行では、実店舗とネット双方で利用できる「JNB Visaデビットカード(Visaデビット付キャッシュカード)」の発行を開始している。また、2014年10月にはVisa認証サービス(Verified by VISA・3-Dセキュア)を導入し、国内で初めて認証に「ワンタイムパスワード」を採用、利用シーンの拡大とセキュリティの強化を図った。ほかにも、変更可能なカード番号、法人利用などジャパンネット銀行独自のサービスを展開している。今回のセミナーではサービスの特徴などについて解説した。
今回は、午前、午後の2本のセミナーを開催したが、両セミナーとも多くの聴講者が講師の話に耳を傾けた。また、両セミナーへの参加者も多かった。