非接触決済「MasterCard PayPass」がオーストラリアで成功した理由とは?

2015年6月29日8:17

非接触決済「MasterCard PayPass」がオーストラリアで成功した理由とは?
NFCモバイルペイメントやデジタル決済サービス「MasterPass」の普及を目指す

国際ブランドのMasterCardは、非接触決済サービス「MasterCard PayPass(世界的には「MasterCard Contactless」)」をグローバルで展開しているが、オーストラリアは世界でもっとも非接触決済比率が高いという。MasterCardでは、2007年からEMVコンタクトレス機能の搭載を現地の金融機関と協力して進めているが、これまでの成果についてMasterCard オーストラリア地区 シニア・ヴァイス・プレジデント&カントリーマネージャーAndrew Cartwrite氏に話を聞いた。また、非接触決済サービスの普及率の高さをベースに、今後はNFCモバイルペイメントやデジタル決済サービス「MasterPass」に重点を当てて展開していくそうだ。

「MasterCard PayPass」の取引は約6割
100ドルまでサインレスで利用可能

――まずは、オーストラリアにおける非現金化率からお聞かせください。また、MasterCard様の位置づけについてお聞かせください。
Andrew Cartwrite:40%がクレジットカードやデビットカードとなり、残りの60%が現金となっています。ただ、現金の取り扱いは小額が中心です。また、MasterCardのシェアはVisaと同じ程度となりますが、デビットカードについては「エフトポス(EFTOPS)」のネットワークが浸透していますが、MasterCardは、デビットカードについても非常にシェアを伸ばしています。その理由として、エフトポスではコンタクトレス決済がほとんど利用できません。また、オンラインや海外での取引もMasterCardであれば便利に行えます。

「MasterCard PayPass」の利用イメージ(出典:MasterCard オーストラリア地区のWebサイト)
「MasterCard PayPass」の利用イメージ(出典:MasterCard オーストラリア地区のWebサイト)

――MasterCard様の「MasterCard PayPass」の決済比率は、どの程度ありますか?
Andrew Cartwrite:MasterCardの対面取引のうち、「MasterCard PayPass」の取引は60%程度あります。その理由として、現地のすべての銀行がコンタクトレスカードを発行しており、生活者が持っているからです。また、生活者が日常的に買い物をされる加盟店において、コンタクトレス決済を利用できます。

もう1つは、「MasterCard PayPass」は、100ドル以下の取引はサインレスで使えるため、生活者がスピードと簡便さを認識しています。100ドルを超えると「Tap&PIN」となり、4桁の暗証番号の入力が必要となります。

――現在、加盟店の決済端末の非接触対応の台数をお聞かせください。
Andrew Cartwrite:MasterCardが利用できる端末は約75万台ありますが、40万台は非接触決済対応です。加盟店としては、スーパーマーケット、タクシー、ファーストフード、駐車場など、さまざまな場所で利用可能です。

コモンウェルス銀行のスタートにより他行でも搭載
ファーストフード店では8割程度の利用まで高まる?

――オーストラリアでは、非接触決済のブランドの告知よりも「Tap&Go(タップ&ゴー)」を訴求していると伺いました。他のブランドと共同で訴求などは行っているのでしょうか?
Andrew Cartwrite:他のブランドとの共同の告知は行っていませんが、オーストラリアでは2007年から、最大の金融機関であるコモンウェルス銀行が、すべてのカードに「MasterCard PayPass」機能を付け、ほかの銀行も追随しました。なぜなら、コモンウェルス銀行はオーストラリアの25%のシェアを占めているので、影響力があります。現状、コモンウェルス銀行の新規発行カードはMasterCardにほぼ統一されています。コモンウェルス銀行は、オーストラリア最大の金融機関として、イノベーション的な役割を示したいと考えています。

MasterCard オーストラリア地区 シニア・ヴァイス・プレジデント&カントリーマネージャーAndrew Cartwrite氏
MasterCard オーストラリア地区 シニア・ヴァイス・プレジデント&カントリーマネージャーAndrew Cartwrite氏

――現在、オーストラリアで発行されているすべてのMasterCardブランドのカードで「MasterCard PayPass」が利用できるのでしょうか。また、カードの発行コストは銀行が負担されているのでしょうか?
Andrew Cartwrite:はい、すべてのカードに搭載されています。カードのコストは銀行が負担していますが、生活者が機能を求めているため、それほど負担には感じていないと思います。また、お客様も2枚カードを持っていた場合、コンタクトレス機能が付いたカードのほうをよくお使いになられます。

――オーストラリアでの非接触決済の推進は当初から順調だったのでしょうか。また、今後はどの程度伸びると思われますか?
Andrew Cartwrite:当初は、利用率も少なく、2009年は10%程度でしたが、7年間かけて成長してきました。大きな変換点となったのは、二大スーパーマーケットの採用となり、日常の買い物で利用できるため、普及に弾みがつきました。今後の成長については、難しい質問ですが、たとえばファーストフード店では80%程度の決済比率まで成長するのではないかと考えます。

非接触決済の成功がNFCモバイルペイメントの推進を後押し
コモンウェルス銀行やウエストパック銀行が対応

――モバイルペイメントの展開についてはどのように進められるのでしょうか?
Andrew Cartwrite:モバイルペイメントはネクストエボリューションです。すでに「MasterCard PayPass」はモバイルに対応できます。また、オーストラリアはスマートフォンの普及率が高いため、普及の可能性はあると考えています。すでにコモンウェルス銀行、ウエストパック銀行はNFCモバイルペイメントに対応しています。

コモンウェルス銀行のNFCモバイルペイメントのイメージ(出典:コモンウェルス銀行のWebサイト)
コモンウェルス銀行のNFCモバイルペイメントのイメージ(出典:コモンウェルス銀行のWebサイト)

――世界各国で展開されているNFCのパイロットではなかなか利用率が伸びないという課題もあります。
Andrew Cartwrite:オーストラリアでもモバイルペイメントは初期の段階ですが、実際に、プラスチックカードでコンタクトレスペイメントが成功したのと同様にモバイルが成功すると感じています。まず、生活者が「Tap&Go」に慣れており、加盟店の多くに端末が行き渡っています。また、数多くのイシュアが参加を表明しています。

さらに、オーストラリアではiOSユーザーの比率が高いですが、現状、「Apple Pay」は利用できません。ただ、コモンウェルス銀行はiPhoneに添付できるステッカーを発行しており、アプリでオン、オフを設定できます。

また、コモンウェルス銀行、ウエストパック銀行では、ATMにおいて、モバイルにコード番号を送ることで現金引き出しができる「カードレスキャッシュ」を提供しています。つまり、モバイルに生活者が移行していく素地ができています。

――オーストラリアではSIMや組み込みのセキュアエレメントではなく、「HCE(Host Card Emulation)」が主流になるのでしょうか?
Andrew Cartwrite:当面はHCEで普及すると感じています。なお、コモンウェルス銀行のNFCモバイルペイメントでは、独自のトークンを利用しています。MasterCardが提供するトークンサービス「マスターカード・デジタル・イネーブルメント・サービス(MDES:MasterCard Digital Enablement Service)」については、すでにプロジェクトがスタートしており、今年末までには完了します。

MasterPassはオペラハウスのチケット購入等に利用可能
QRコードを利用したサービスも教育機関で採用が進む

――デジタル決済サービス「MasterPass(マスターパス)」の展開はいかがでしょうか?
Andrew Cartwrite:まだ本格的な導入はこれからですが、始まっています。オーストラリア国内の3,000の加盟店で使われていますし、11銀行のうち4銀行で対応がスタートしています。たとえば、シドニーのオペラハウスの公演や映画のチケットの購入で利用可能です。

――QRコードを利用した「Flickr(フリッカー)」の推進についてはいかがでしょうか?
Andrew Cartwrite:現状、スポーツ施設での利用はそれほどでもありませんが、非常に人気があるのは教育機関で利用できるアプリとなります。親御さんが子供のランチを売店で購入するときに利用されており、子供に現金を渡す必要もありませんし、学校の売店も現金を扱う必要がないため、ヴィクトリア州の学校では人気が出ています。

――今後の展開や数値目標についてお聞かせください。
Andrew Cartwrite:現在、オーストラリアでは、NFCモバイルペイメントや「MasterPass」に重点を当てて展開しています。具体的な目標については申し上げられませんが、間違いなく言えるのは、オーストラリアは早い段階で伸びる市場であると感じています。

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