2015年8月21日9:26
楽天は、2015年8月20日に記者会見を開催し、出前・宅配注文サイト「楽天デリバリー」において、新たにテイクアウトサービスを開始した。持ち帰り弁当や商品をスマートフォンで事前注文をして店頭での受け取りが可能になるサービスを東京23区内の加盟店、約600店舗で利用できる。
東京23区、約600店舗で開始
国内唯一のテイクアアウトポータルサイト
「楽天デリバリー」は、全国7,500以上の参加店舗からユーザーが指定する届け先に応じて商品を選ぶことのできる出前・宅配注文サイト。注文件数は、10年間で加速度的に拡大しているそうだ。
新たに開始する「楽天デリバリー テイクアウト」は、出来たての商品を店頭から持ち帰ることのできるサービスで、利用者にとっては従来の出前・宅配に加え選択肢が増えると期待する。
「インターネットを使ったサービスが始まっていますが、たとえば、通勤電車の帰り際に夕食を吟味して、出来立てのカレーやピザを受け取る。新たな食事に関する消費がテイクアウトを通して拡大していく」(楽天 常務執行役員 高橋理人氏)
楽天 デリバリー事業副事業長 中村雄氏によると、2015年度のテイクアウト市場は6.2兆円で今後も拡大傾向にあるそうだ。また、楽天リサーチの調査の結果では、複数店舗との比較検討・注文が可能なポータルサイトで、デリバリーとテイクアウトを利用したい意向は80%となった。さらに、夕食において月1回以上テイクアウトを利用する人は46%だったのに対し、デリバリーは30%だったように、テイクアウトのニーズは高いとしている。
楽天によると、「楽天デリバリー テイクアウト」は、国内唯一のテイクアウトポータルサイトとなり、他の楽天のサービス同様に「楽天スーパーポイント」が貯まり、使えるサービスとなっている。また、店舗ごとの各種キャンペーンも実施するそうだ。
当初の対象店舗は、東京23区内の約600店舗で、カレーハウスCoCo壱番屋、PIZZA-LA、Vivaパエリア、柿家鮨(かきやずし)、ナポリの窯、バーガーキング、クア・アイナなど。チェーン店に加え、個店でも利用可能だ。
クレジットカードは注文時点で実売上に
スマホではGPS検索、23区検索を実装
テイクアウトサービスのため、宅配料などは不要で、手数料なども基本的に不要。また、Webウェブサイト上で注文では、クレジットカード払いが選択可能で、店頭での現金払いも行える。さらに、注文の際、楽天会員IDでログインすれば、注文情報の入力が省けてスムーズに注文できるという。
なお、クレジットカード決済については、一部のテイクアウトの事前決済サービスでは、予約の時点では「仮売上」だが、商品を受け取った時点で「実売上」となるサービスがあるが、支払処理を行った際に「実売上」となるそうだ。そのため、仮に予約をして、店頭に受け取りに来ない客がいた際は、支払いが成立することとなる。
また、事前予約の場合、顧客が一定の時間に殺到する可能性があるが、注文から30分後の受け取りとすること、混雑時には待ち時間を延ばして制限できる機能などを活用することにより、対処できるとしている。
スマートフォンの機能としては、フリーワード検索として東京エリアが優先的に表示されるサジェスト機能を実装。まずは、東京23区を中心にサービスを開始するため、東京エリアが中心として出てくるチューニングを行った。また、GPS機能により、利用者のいる場所の近くにどういった店舗があるのかを地図上で確認できる。
ゲストで登場した、「カレーハウスCoCo壱番屋」を運営する壱番屋 取締役東日本本部長 宮崎龍夫氏によると、ネット経由の注文が増えており、下支えがされている。現在、デリバリーの売り上げの50%がネットからの注文となっているそうだ。テイクアウトは100%が電話もしくは来店する顧客のため、今回のネット注文の開始により、利便性の高いサービスを提供していきたいとしている。
また、宅配ピザチェーン「PIZZA-LA」等を運営するフォーシーズ ピザーラ事業本部 執行役員 本部長 五月女弘史氏は、「テイクアウト市場は年々伸びているし、さらに伸びしろがあります。私どもが考えるビジョンと共感できます」と期待した。