2015年10月16日1:13
大日本印刷(DNP)は、パスワードを用いないオンライン認証の標準化を目的とする国際的な非営利団体FIDO Alliance(ファイドアライアンス)に、2015年10月14日にスポンサーメンバーとして加入した。DNPは、FIDO仕様に準拠した認証サービスを、2016年度に開始する予定だ。DNPは、金融機関、インターネットサービス事業者などを中心に認証サービスを提供し、2019年度までの4年間累計で20億円の売上を目指す。
FIDO Allianceは、公開鍵暗号や生体認証等の技術を利用し、強固なセキュリティと生活者の使いやすさを両立させる新しいオンライン認証技術仕様「FIDO(Fast IDentity Online)」の標準化を進めている。
DNPは、ICカードや3-Dセキュアに準拠したオンラインショッピングでのカード決済の本人認証サービスで培った技術を活用し、FIDO仕様に準拠した認証基盤を構築し、強固なセキュリティと利便性を兼ね備えた認証サービスを提供するという。
DNPは、スマートフォンやウェアラブル端末などに搭載されている生体認証機能などを活用した認証方式を提供する。また、新たな脅威に対しても新しい認証方式を常に提供していく計画だ。基本機能があらかじめ開発されている複数の認証方式を組み合わせた認証サービスを提供することで、企業の開発負荷を軽減できる。サービスの運用は、高いセキュリティと耐震性を備えたDNPのデータセンターで実施する。
企業はIDとパスワードを使った既存の認証方式から、パスワードを使わない生体認証などの方式に移行することで、セキュリティを強化できるという。認証には、生活者のスマートフォンに搭載されている機能などを使うため、専用の読取り機やトークンなどを配布することなく、簡単に認証機能を追加できる。生活者は、パスワードを使わない認証が可能となることで、パスワード管理の負荷を軽減可能だ。