2016年1月22日8:00
ビットアイルの買収、TY5の開設により国内4位のデータセンターに
エクイニクス(EQUINIX)は、Aliteとともに「Interconnected Commerce(相互接続された商取引):A Revolution in Value Creation」を公開している。近年は現金以外にさまざまな決済技術が用いられているが、将来についての仮設、B2C取引(企業から個人)、P2P(ピア・トゥ・ピア)、B2B取引(企業間取引)についての概要を説明し、相互接続された商取引の重要性を述べている。なお、エクイニクスは、日本でもビジネスを展開しており、2015年9月にはビットアイル買収を発表し、日本でも第4位のデータセンターとなった。同社では現在、東京に五番目のデータセンター(TY5)を建設している。
決済がツールとなり、ビジネスのフォーカスから外れるケースも
近年、決済のプレイヤーは数多く登場し、オンライン決済にかかわるプレイヤーもさまざまな業種・業態に渡っている。エクイニクスとAliteが調査した「Interconnected Commerce」によると、「いまだかつてないほどの変化が起きています」と、Equinix シニア・ディレクター ビジネス・デベロップメント AP(アジア・パシフィック)David Wilkinson氏は話す。
ここ数年は、新しい決済のテクノロジとしてさまざまなモバイルサービス、SNS等が登場している。また、単純な決済取引に加え、データに着目したモデルも増えている。David Wilkinson氏は、「さまざまなエコシステムが登場する中で、ペイメントも1つのツールとなっており、お金の取り引きは重要ですが、ビジネスのフォーカスから外れるケースも出てきています」と説明する。
たとえば、Uber(ウーバー)やLINE TAXIは、お金のやり取りは生じるが、消費体験を便利にしたことが注目された。決済はコアとなるが、そのうえで行われているサービスが重要視されている。
このように、アプリケーションやユーザーエクスペリエンスが大きく変化する中で、データの重要性が高まり、サービスのアプリケーション上で行われるものの価値が高まっている。そのため、こうした行動に対するデータマイニングなどに着目されるケースが増えている。
コマースが相互に接続されることにより登場するエコシステム
「THE INTERCONNEC TED COMMERCE ECOSYSTEM」は、コマースが相互に接続されることにより登場するエコシステムであるが、B2C、P2P、B2B取引の周りにデータアナリティクスやCRM、ロイヤリティプログラム、インベントリ・コントロール、オーダーの管理などがつながっている。この流れにより、消費者はもちろん企業のビジネスモデルにも変化が生じている。
現在、ビジネスやサービスが細かく、複雑な形で接続しあっているが、その際に確実なセキュアなデータ管理が求められる。また、データのボリュームは増え続けるため、拡張性も重要となる。エクイニクスは、5大陸40都市において、6,300社以上の企業を有しており、105以上のデータセンターを保有している。決済に関してもさまざまなビジネスをつなぐことができるとしている。また、「エコシステムに接続する一番大きなメリットは環境、マーケットの変化、国や地域によって異なる規制に対して柔軟に対応できます」とDavid Wilkinson氏は自信を見せる。
「Interconnected Commerce」では、eコマースの成長にも触れられているが、2011年からの5年をみるとアジアの伸びが突出しており、約10倍となっている。
ビットアイルの買収により国内第四位のデータセンターに
エクイニクスは、2015年9月にビットアイルの株式の公開買付けを実施した。現在、エクイニクスでは、東京に4、大阪に1つのデータセンターを抱えているが、「東京に9、大阪に2つのデータセンターを有することになる。これまで、国内データセンター事業者の中で14番目の規模だったが、買収後は4番目の規模となった。さらに、2016年第一四半期には、新たなデータセンターとして東京都内にTY5を開設予定となっている。