2016年1月29日8:00
出光興産などナショナルクライアントで採用が進む「PaySpremeHouse」
NTTデータでは、ハウスプリペイド等の発行を支援する「PaySpremeHouse(ペイスプリームハウス)」を展開している。大量なプリペイド決済のトランザクション処理を実現できるシステムとして、大手を中心に採用が進んでいるそうだ。
トランザクション件数では№1を自負
事務局の運営サポートも可能
NTTデータでは、ハウスプリペイドカードの代表的な事例となる出光興産の「出光キャッシュプリカ」の運用など、同ビジネスを古くから支援している。黒子として加盟店を支えるケースが多いため、出光興産以外の導入実績は非公表だが、「スーパーマーケット、エンターテインメントなど、10以上の採用実績があり、堅調に導入実績は増えています。出光キャッシュプリカを処理しているため、現時点でもトランザクション件数では弊社が一番多いと思われます」と、NTTデータ ITサービス・ペイメント事業本部 カード&ペイメント事業部 営業統括部 ソリューション営業担当 課長 井芹康夫氏は自信を見せる。
近年は、ハウスプリペイドのASPやSIerとの競争も激しくなっているが、「弊社はシステム会社であり、しっかりとした基盤の上で大量のトランザクションを安定的に処理できる強みがあります。また、事務局の運営サポートも可能で、カード会社と連携しながらシステムと運用をセットでご提案することで、お客様が安心してアウトソースしていただけるのが差別化となっています」と同氏は続ける。
大量のトランザクション処理に対応
他の決済手段と合わせて導入されるケースも
たとえば、スーパーマーケットはピークタイムにトランザクションが集中するが、それをさばくだけのシステム基盤を備えているという。また、サポート面も充実している自負がある。同ビジネスは価格競争になることも多いが、単純な手数料率以外の付加価値として、プリペイドカードの発行をトータルにサポートできる連携体制を評価されている。ある会社には、サービスの開始に向け、業界の慣習などのアドバイスをしながらサービスを支援した。また、仮に法制度が変わってもその対応なども担うことができるため、導入企業にとっては安心感があるそうだ。
NTTデータでは、30年以上の稼働実績を誇る決済インフラである「CAFIS」を提供しており、多岐にわたる決済ビジネスを提供しているが、「他の決済サービスとあわせてご提案できるメリットもあり、まとめて導入できることもプラスとなっています」と井芹氏は口にする。たとえば、「PaySpreme」ではブランドプリペイドのサービスを提供しているように、加盟店やカード会社の要望に沿って、さまざまな決済手段をあわせて導入可能だ。
現状、CRM展開については企業が独自で展開するケースが多いが、スマートフォンアプリとの連動、販売促進サービスとの連携等を求められるケースが増えている。
プリペイドビジネスの成長に期待
東南アジアでの展開も検討
NTTデータでは、これからもプリペイドカードのビジネスはさらに成長すると考える。クレジットカードの発行はやや飽和感があり、クレジットカードを持たない人や、持ちたくない層も少なからず存在する。また、ポイントカードによる販促は有効だが、プリペイドカードにお金を入金してもらうことで、再来店に結び付けやすくなり、企業内でお金を還流させることも可能となる。以前は、カフェやガソリンスタンドなど、一部の企業での利用が中心だったが、近年はより生活に密着したドラッグストア、レンタルビデオ、スーパーマーケットでも導入が広がってきた。
具体的な導入や売り上げの目標は公表していないが、今後も信頼性の高いシステムを提供することで、大手や中堅企業に採用してもらいたいとしている。また、NTTデータでは、東南アジアなど海外での展開も検討している。