2016年2月25日8:00
街なかで気軽に入会でき、より気軽に貯められるマイレージサービスへ
「JALマイレージバンク(JMB)」は、搭乗やショッピングで貯めたマイルを航空券や電子マネー等の特典と交換できる、日本航空(JAL)のマイレージプログラムだ。日本の航空会社初のマイレージサービスであり、現在も国内最大の会員数を誇る。同社では、いま市場を賑わせている他業種の魅力あるポイントプログラム等との連携により、さらなるお客さま満足度の向上を図っている。
「JALマイレージバンク」会員は3,000万人の大台突破
各種提携カードも好調で、提携社との更なる協業パートナーシップ構築
JMBに入会すると、JALグループや提携航空会社の飛行機でのフライトはもちろん、提携ホテルでの宿泊やインターネットショッピング、店舗でのカード提示でもマイルが貯まる。会員数は3,000万人の大台に乗った。「2012年に2,500万人を突破してからも、おかげさまで順調に会員数が増加し、プログラムをますます充実していきたいと思っております」と、日本航空 路線統括本部 マイレージ事業部 FFP企画グループ長 西川和久氏は笑顔をみせる。
ポイント交換先として、JALのマイルは人気が高い。JALでは2011年ごろから、マイル交換やカード発行等に関して提携を強化している。提携クレジットカードの入会者数が順調に増加し、また、マイルが貯まるポイントカード類も好調な普及が進む。
同部 事業戦略グループ長 初田圭祐氏は、「街なかでもJMBに気軽に入っていただけます。普段、あまり飛行機にお乗りにならないお客さまにも親近感を持っていただき、将来ぜひJALに乗っていただきたいですね」と微笑む。提携各社とも強固な提携関係の構築を目指しているという。
PontaポイントとJALのマイルが相互交換可能に
ドコモ回線を持つ「dポイントクラブ」全会員とも相互交換スタート
JALの他社との提携でとりわけ注目されたのが、ロイヤリティ マーケティング(LM)との2014年の業務・資本提携だ。「弊社が普段なかなかコミュニケーションできない会社様と、Pontaを通じて様々な取り組みができ、JMBや飛行機の利用機会の創出・拡大に繋げるという面で大きな効果があります」と初田氏は話す。
2015年4月からは、JALマイルとPontaポイントの相互交換を開始。JALとLMは以前から「JMBローソンPontaカードVisa」を通じてポイント交換サービスを提供していたが、これにより、同カードのユーザー以外もWeb上でJMBとPontaの会員番号の紐づけをすれば相互交換が可能となった。
もう1つ、マイル・ポイント相互交換の中で画期的だったのが、NTTドコモのdポイントだ。「ドコモプレミアクラブ」会員のみ対象だった旧ドコモポイントとの相互交換が、2015年12月からは、ドコモ回線を持つすべての「dポイントクラブ」会員に可能となった。これにより、マイル=ポイント相互交換の流通量も増加。さらに、JALグループの空港売店「BLUE SKY」へdポイント導入の準備が進んでいるという。
コンビニ唯一の特約店ファミリーマートでは「JALカード」払いでマイル2倍、
「JMB WAON」払いでもマイル2倍
次世代アスリートの成長を支える独自のマイルプログラムにも高い注目
「JALカード」全体の会員数は、JMB会員の1割強となる約310万人に上るという。「JALカード」特約店ではショッピングマイル付与率が優遇されており、コンビニエンスストア唯一の特約店となるファミリーマートでは、サービス開始から利用件数・取扱高ともに右肩上がりが続く。同店はコンビニ初のWAONマイル特約店でもあり、「JMB WAONカード」のWAON払いで通常の2倍のマイルが貯まる。
同店では、10,000マイルを1万500円分のファミリーマート専用QUOカードへ交換できるサービスを提供しているが、加えて、2,000マイルを2,000円分のFamiポートクーポン(商品券)へ交換できる、より手軽で小額なサービスも2015年12月から開始し、好調だという。
ところでJALでは、マイルプログラムの一環として、スポーツのさらなる振興と次世代アスリートのサポートを目的に「JALネクストアスリート・マイル」プロジェクトを展開している。2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けて国内のスポーツ熱が高まる一方、アスリートが金銭的な事情で海外遠征を断念するケースもあるなど、練習環境は充分なものとはいえないという。西川氏は「すべての競技団体が潤沢に資金を持っているわけではありません。そこでお客さまと一緒になって、次世代アスリートの育成を応援していこうとの趣旨でやっています」と胸を張る。
2014年6月に4団体を対象に開始し、現在は17団体に増えている。JMB会員はその中から応援先を選び、1口2,000マイル(2,000円相当)から、2,000マイル単位で寄付できる。JALが同額を拠出するため、1口の寄付で計4,000円が贈られることになる。寄付は競技団体ごとに年間10万~15万マイル程度集まり、徐々に増えているという。
ただ、現状では、競技ごとに集まる寄付金に多寡があるため、今後は、偏りが生じないように各競技団体と知恵を出しあいながら展開していくとともに、プロジェクトの宣伝告知活動の強化を考えているという。
55歳以上限定、電子マネー機能付き「JMB G.G WAON」
年会費無料だがマイル有効期限60カ月など各種特典手厚く
JALとイオングループは、「JMB WAONカード」での提携など繋がりが深い。JALでは2015年8月から、55歳以上を対象に電子マネー機能付きマイレージカード「JMB G.G WAON」を発行。イオングループが「シニアシフト」の一環として力を入れる「グランド・ジェネレーション(G.G世代)」向け商品だ。イオンからは同時に、JMB WAON一体型のクレジットカード「イオンJMBカード」が発行されている。
「JMB G.G WAON」にはマイルを直接貯めることができ、通常36カ月のマイル有効期限が60カ月まで延長されるのが特筆だ。また、毎月15日の「G.G感謝デー」に「JMB G.G WAON」のWAONで支払えば、5%OFF&マイル2倍になるサービスもあり、なおかつ入会費・年会費は無料だ。
G.Gには年齢条件があるため、免許証などの本人確認が必要だ。マーケティングへの活用も期待でき、同社では今後55歳になるJMB会員にはこのカードを勧めていきたいとしている。なお、「JALカード」から「JMB G.G WAON」へのオートチャージは可能だ。
WAONは加盟店獲得に力を入れており、JALでも空港内の加盟店の獲得など二人三脚で動いているという。また、JALが目指す地方活性化に連動して、例えば、地方に根付いた巨大イオンモールにて共同での販促活動や、ご当地WAONとの連携といった将来的な取り組みも視野に入れている。
「FLY ONプログラム」でヘビーユーザーに高品質サービスを還元
インバウンド対応に向けて様々な取り組みを提携社と協働
JALでは、搭乗回数の多いいわば上級会員向けに「FLY ON プログラム」を展開している。1年間積算した「FLY ON ポイント」や搭乗回数に応じてサービスステイタス(ダイヤモンド、JGCプレミア、サファイア、クリスタル)が決まる。会員はそのステータスに応じ、ラウンジや機内サービスなどのハイクオリティな特典が受けられる。
西川氏は「USJなどテーマパークでの特設ラウンジがご利用いただけたり、飛行機のシミュレータ体験をダイヤモンド会員限定で開催したりもしています」と一例を挙げる。こうしたプレミアム感も後押しし、同会員数とポイントの推移も好調をキープしている。ひとたび会員となると、その後も継続する会員が多いというのもうなずける。
また、同社ではインバウンド対応にも目を向けており、たとえば、ビックカメラと協力して中国線の機内で割引クーポンを配り、店頭で一定額以上購入した客には空港への無料宅配サービスも行っている。今後は中国以外への拡大も考えているという。さらに、イオンや、昨年8月に包括提携した三越伊勢丹ホールディングスとも、インバウンド対応に向けて協議しているという。
三越伊勢丹とはマイル・エムアイポイント相互交換が2016年4月6日からスタートし、提携カード発行も視野に入れる。「ポイント交換だけでなく、航空事業も付随するさまざまな取り組みを強化していくことがテーマです」と、初田氏は意気込みをみせる。お客さまの利便性向上にも寄与するであろう、提携関係深化への動きに今後も注目したい。