2016年4月21日15:10
アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.(American Express)は、2016年4月21日、グローバル企業の財務責任者(CFO)651名を対象に過去8年間行っている意識調査「アメリカン・エキスプレス/CFOリサーチ グローバル・ビジネス・スペンディング・モニター2016」の結果を発表した。
まず、日本の2016 年以降の実質GDP 成長率は1%前後で推移すると予想される中、日本の財務責任者の半数は、今後12カ月の間に「景気が良くなる」と回答した。過去3年(2015 年:52%、2014年:55%、2013年:67%)と比べると期待感は低下傾向にある。日本とは対象的に、米国および英国の7割以上の財務担当者は自国の景気に対して明るい見通しを持っている。一方で経済成長の減速がみられる中国では昨年と比べて20%も低下している。
また、自社の成長に最もポジティブな影響を与える要因としては「為替相場の変動(40%)」、「国内経済(37%)」、「国際貿易協定(37%)」がトップ3に挙げられた。グローバル規模で事業を展開する日本の企業にとっては、円安傾向が好材料になる面もあり、またTPP(環太平洋パートナーシップ)協定などの新たなグローバル経済の枠組みに自社の成長を見出そうとしていることが背景にあると考えられる。
さらに、新興国市場のどこの国で今後、売り上げや販売チャネルを拡大したいかという質問に対しては、日本企業の財務責任者は、中国(43%)、インド(30%)、ベトナム(23%)でのビジネス成長に最も注力したいと回答した。さらに、今年夏季オリンピックが開催されるブラジル(20%)やインドネシア(20%)も注目が高いことがうかがえる。
同調査で日本のCFO の10人中8人は、今後1年間に支出や投資を「積極的(28%)」もしくは「ある程度(52%)」増やすと回答した。積極的に投資すると回答した割合は、昨年と比べて12%増加する一方、「利益を確保するために支出や投資をしっかり管理する」と回答したCFO は昨年の23%から14%に減少した。このことから、日本企業はこれまでの支出・投資の管理強化から積極的な投資へとシフトしていることが明らかになった。
また、諸外国を見てみると、日本以外にも米国などの国はより積極的な投資を重視している。
今後1年における会社全体の従業員数の増減についての質問では、日本企業の従業員数は平均8%の増加が見込まれている。これは世界の企業の平均9%とほぼ同じ水準にあたる。最も不足している職種は「セールス・マーケティング職(53%)」と「管理・サポートスタッフ(43%)」となった。