2016年7月6日9:38
UAE(アラブ首長国連邦)の政府により導入された支払い手段が「e-dirham(イーディルハム)」だ。「e-dirham」は、政府の支払いや企業の申請等を安全・セキュアに行うことができる。また、「eD-Mobile/Wallet applications(ED-モバイル/ウォレットアプリケーション)」を利用すれば、物理的なカードがなくても政府系の支払いが可能になる。
「e-dirham」カードは昨年300万枚発行
「e-dirham(イーディルハム)」は、UAEの各省庁への申請や支払い、首長国の地方政府機関、企業の登録などで利用可能だ。カードは昨年、300万枚発行されたという。
「e-dirham」では、事前に購入したカードにより政府機関での支払いが可能だ。以前は政府の支払いは現金でも可能だったが、現在、会社の申請やライセンスの更新をする際は、同カードの購入が必要となるそうだ。また、政府が運営するガソリンスタンドの「ENOC」でも支払いが行える。
カードはNational Bank of DubaiやCommercial Bank of Dubai、Union National Bankといった加盟銀行から購入できる。「Government Client Card」では、購入したカードの残高がなくなった際、リチャージして利用することが可能だ。チャージはATMやチャージ機等で行うことができる。また、国際ブランドの「Visa」が付いたカードも発行されている。
「eD-Mobile/Wallet applications」をリリース
カード番号をトークンと紐づけて利用可能に
2015年10月には、「eD-Mobile/Wallet applications(ED-モバイル/ウォレットアプリケーション)」をリリース。同アプリは、Android、iOSともに利用できる。これにより、物理的なカードを購入することなく、政府が提供する主要なサービスの支払いを行うことが可能になる。
同アプリケーションには、クレジット、プリペイドおよび銀行のデビットカードを追加することができ、トークンIDを紐づけて安全に支払いができるという。つまり、ED-モバイル/ウォレットアプリケーションでの支払い時に、トークンを生成したバーコードにより、自身のカード番号を通知することなく処理されるという。
※取材は2016年5月31日、6月1日にドバイで開催された「Cards & Payments Middle East」で実施。