2022年4月27日19:19
Mastercardは、Mastercard Index of Women Entrepreneurs(Mastercard女性起業家インデックス、 以下「MIWE」)として、世界における女性の労働力の82.4%に相当する65の経済圏の女性起業家の活躍状況を調査した最新のレポートをグローバルで発表した。
MIWEの第5回目の調査では、65の経済圏と世界の女性労働力の82.4%を網羅し、過去2年間の世界の起業状況における女性の躍進を調査した。その結果、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を軽減するために世界各国が取り組みを行っているにも関わらず、女性は経済的・社会的に相当な影響を受けていることが明らかになった。また、世界的なジェンダー・ギャップを解消されるまでに、さらに36年かかる可能性があると予想されている。
MIWE 2021グローバルランキングにおいて、65の経済圏のうち、日本は47位となった。なお、58の経済圏を対象とした前年の同ランキングでも、日本は同順位となる47位となった。
2020年から2021年にかけてのMIWEスコアの変動において、高所得経済圏の中ではサウジアラビア(+0.7)、アラブ首長国連邦(+0.3)、日本(-0.2)が最も進展が鈍く、企業経営やリーダーシップにおける女性の割合はまだ低調であることが示されたとしている。これと対照的に、米国、ポルトガル、ニュージーランドなどの高所得経済国では、事業主およびリーダーとしての女性の役割が著しく高まっていることがわかった。
また、中東・アフリカ諸国(エジプト、サウジアラビア、ヨルダン、レバノン、イラン、モロッコ、チュニジア、アラブ首長国連邦、カタール)とアジア諸国(バングラデシュ、インド、日本)では、女性がビジネスリーダー、専門家、技術者として昇進する機会が少なく、世界の他の国々に比べて遅れていることも明らかとなった。
「MIWE 65カ国における女性ビジネスリーダーの割合」において日本は14.3%と、去年の14.8%よりも低下している。これは、アラブ首長国連邦(13.9%)やチュニジア(14.9%)と同等の数字であり、アジアで比較すると香港(32.0%)の約半分の結果となった。
日本では、女性が金融機関の顧客として疎外されることはほとんどなく、銀行口座、クレジットカード、デビットカードを所有する確率は男性と同じだ。しかし、企業顧客としては、中小企業関連制度や事業資金へのアクセス(ビジネスローンの申し込み)がしづらい状況があるため、女性はより不利な立場に置かれやすい傾向がある。これは、金融機関から借入をしている女性の割合が日本は非常に低いこと(オーストラリア21%、カナダ25%、デンマーク18%に対し、日本は4.4%)にも表れている。また、日本女性の高等教育への進学率は男性とほぼ同じ(女性63%、男性66%)だが、これはオーストラリア100%、ニュージーランド98%、シンガポール92%、台湾90%)と比較してかなり低い状況となっている。
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ペイメントナビ編集部
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