2016年10月7日8:00
■キヤノンマーケティングジャパン
クラウド型総合決済プラットフォーム「CAFIS Arch®」とは
デビット、クレジット、NFCなど多様な決済に対応可能
「CAFIS」は株式会社NTTデータが運営する国内最大級の決済ネットワークです。その新サービスとして「CAFIS Arch®」という決済プラットフォームが2015年にリリースされています。「CAFIS Arch®」の大きな特徴は、デビット、クレジット、NFCといった「多様な決済への対応」です。また、ポイントカードや電子サインと連動する「決済付帯機能の充実」、「CAFIS」の多通貨決済サービスなどと連携する「インバウンド対応」、キヤノンの端末も含まれる「多彩な端末形態」も特長と言えます。
「CAFIS Arch®」は、クラウド型の総合決済プラットフォームです。決済端末には当然、決済を行うためのアプリケーションがインストールされており、従来のCCT(Credit Center Terminal)端末では端末側にアプリケーションを持っていました。それに対して「CAFIS Arch®」では、決済端末側にアプリケーションを持つ必要がありません。端末側にアプリケーションを持つ場合、端末のソフトウェアの更新があった際には誰かが更新を行わなければなりませんが、クラウド型のサービスにはこの手間がなくなるというメリットがあります。
また、例えば決済手段を増やしたい、新たなサービスを導入したいといった場合には、決済端末のアプリケーションを更新する必要がありますが、「CAFIS Arch®」は、クラウド型決済プラットフォームであるため、サーバ側の更新で決済商品を増やすことができます。さらにお客様の用途によりますが、日計もサーバ側で管理していますので、日計処理を端末側から行う必要もなくなります。
「CAFIS Arch®」に対応するキヤノンのモバイル決済端末
スマートデバイスと連携した決済を安全に実現
「CAFIS Arch®」に対応したキヤノンの決済端末のラインナップとして、従来のCCT端末と同様に通信モジュールを内蔵しているモデルと、スマートフォンやタブレットといったスマートデバイスと連携して、それらに付いている通信機能を利用するモデルの2モデルをリリースする予定です。直近では、スマートデバイス連携型をリリースいたします。
「CAFIS Arch®」対応のキヤノンの決済端末には大きく3つの特長があります。1つが「『お客様視点』安心デザイン」。2つがキヤノンの特長である「プリンター一体型モバイル端末」であるということ。3つがPCI PTSの最新バージョン、「PCI PTS4.1」に準拠する端末であり、同時に「国内製造・国内保守」であることです。
特長の1つである「『お客様視点』安心デザイン」ですが、モバイル決済で実際に暗証番号を入力するときには、お客様に端末をお渡ししていると思います。キヤノンの端末ではカバー部分を開けることで初めて暗証部分のPINパッドが出てくる構造にしています。目隠し機構によって、店員からお客様の暗証番号入力が見えないという配慮です。そもそも、PCI PTSでは暗証番号入力時に手元を隠す機構をつけるという決まりがあります。据え置き型の決済端末では、暗証番号入力の手元を隠すために小さな壁が設けられていますが、これもPCIの考え方に準拠して備えらえたものだと思います。 モバイル端末にはこのような壁は適しませんので、運搬時にはカバーになり、使う際には目隠しになるようなデザインをお客様と一緒に考え、実装しております。暗証番号入力時の不安をお客様に与えない面前決済という考え方に特化した端末なのです。
2つめの特長の「プリンター一体型」ですが、日本国内の決済シーンでは、まだまだお客様控えが求められると思います。例えば、口座振替を行う場合には口座振替確認証、また、クレジットカード決済の中でも特に分割払いの場合には控えを印刷する場合があります。モバイル端末に対応するモバイル用プリンターもありますので、モバイルプリンターを持つのも1つの考え方かもしれませんが、取り回しを考え、また、ランニングコストの点でも、プリンターを一体化した方が望ましいと考えました。また、キヤノンはもともとプリンター自体を得意分野としており、プリンター一体型モデルの導入実績が評価され、航空業界や鉄道業界、また百貨店業界にも端末を採用いただいているという実績があります。業務用端末業界では「ハンディターミナル」といいますが、プリンター一体型ハンディターミナルではキヤノンがシェアNo.1をいただいており、多彩な業界でご愛顧いただいています。
特長の3つめ、「PCI PTS4.1準拠」ですが、前段でお話しした通りハードウェアメーカーとして安心・安全なクレジットカード取引を実現するためにPCI PTSへの準拠が必要だと考えています。またキヤノン製モバイル端末は「国内製造・国内保守」にもこだわっています。国内製造については海外の情勢の影響を受けないという点が大きなポイントです。さらに、国内の製造部門で一括して保守も行っています。キヤノンの決済モバイル端末は、キヤノングループのキヤノン電子株式会社で製造を行っています。
最後にキヤノンだけの大きな特長として、端末の製造終了から7年以上、全パーツの保有をお約束しています。例えばお客様によって、リースを延長したいけれどもう保守はできないよね、と相談された場合にも、安心して長期間使っていただける体制を構築しています。
2020年に向けてIC化の波がますます進んでいく中で、決済端末はPCI PTSという世界標準のセキュリティ基準に準拠し、お客様の安心・安全を考え続ける事が大切だと思います。
※本記事は2016年3月12日に開催された「ペイメントカード・セキュリティフォーラム2016」のキヤノンマーケティングジャパン株式会社 BSソリューション企画本部 モバイルソリューション企画部 モバイルソリューション企画課 山本 大輔氏の講演をベースに加筆を加え、紹介しています。
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