2017年7月19日8:00
ビザ・ワールドワイド(Visa)は、2017年4月末時点でVisaデビットカードの国内発行枚数が500万枚を突破したことを受け、7月18日にコンラッド東京(東京都港区)にてCMキャラクターである女優の上戸彩さんを招き、発行銀行各社と共に記念イベントを開催した。Visaでは、今後もVisaデビットの展開を強化する方針だ。
半年で発行枚数が一気に増加、17行の銀行からカードが発行
「Visa デビットカード」は、日本全国の店舗やインターネットショッピング、海外の加盟店など、Visaクレジットカードが利用できる先で、24時間365日利用できる。また、買い物の都度、銀行の預金口座から利用金額が引き落とされるため、現金感覚で利用できるのが特徴だ。2017年4月末時点でVisaデビットカードの発行枚数は500万枚を突破したが、近年はイシュア(カード発行会社)も増え、ここ半年で一気に発行枚数が伸びたという。
国内では、2006年にスルガ銀行がVisaデビットの発行を開始。それから11年経過し、現在は17行で発行されている。日本銀行の「最近のデビットカードの動向について」のデータを見ても、国際ブランドのデビットカード決済は順調に広がっている。記念イベントで挨拶したビザ・ワールドワイド・ジャパン 代表取締役 安渕聖司氏は、「Visaデビットカードの過去11年間のショッピング取り扱いのボリュームは、年々72.7%という、非常に大きな成長率を見せています」と成果を口にした。
Visaデビットカードは、使ったらすぐに口座から引き落としされるため、Visaでは2017年1月14日から、「残高見える♪安心見える♪」というテーマでTV-CMを放映するなど、消費者の認知向上、商品性の理解の促進に加え、実際にカードを保持してもらい日常の買い物に使ってもらえるように務めてきた。
Visaの調査では消費者が現金と同じ感覚で使っている結果に
Visaが楽天リサーチに委託し、東京都、大阪府、愛知県に在住の20代~50代以上の人々800名を対象としてVisaデビットカードを保有し、利用している人への実態について定量調査を実施したところ、「現金と同じ感覚で使っている結果がでています」と安渕氏は話す。利用先もスーパーや量販店、ネットショッピング、コンビニエンスストアといった、日常生活での買い物で利用されていることがわかった。また、消費者の行動として、現金での支払い、ATMに行く回数が減ったように、現金の代替手段としてVisaデビットカード利用されていることが把握できたそうだ。
その一方で、日本はまだまだ現金決済が主流だ。政府は、「未来投資戦略2017」において、2027年6月までに国内の消費額に占めるキャッシュレス決済の比率を現行の19%から40%まで高めることを示した。たとえば、米国では約40%がキャッシュレス決済となっている。同国では、ブランドデビットカードの運用開始から20年以上経ち、クレジットカードとの使い分けが行われている。
「デビットカードはファストフードやコンビニ、スーパー、雑貨店などの日常使いで使われていますが、クレジットカードは電化製品の購入、旅行など、比較的購入金額が大きいお買い物で使われています。全世界のデータを見ると、取扱高、件数ともにクレジットよりもデビットカードの方が多いです。デビットの取扱高は全体の56%、クレジット等は44%であり、デビットカードはメジャーな決済手段になっています」(安渕氏)
Visaが2012年に行った調査によると、5,000円以下の購入でのカード決済は4%となっている。そのため、5,000円以下の日常使いでよく利用される現金を電子決済にかえることにより、キャッシュレス化が進むとみている。
日常利用に適した非接触決済サービス「Visa payWave」の普及等を目指す
Visaでは、Visaデビットのさらなる普及、キャッシュレス化を進めるために、3つの点を注力して進めていくという。
1つ目は、これまで同様に、Visaデビットの認知向上、機能の理解促進を図るようにマーケティングコミュニケーションを進め、さらなる利用を促す。2つ目は、日常の買い物とデビットカードとの相性がよい、グローバル基準の非接触決済サービス「Visa payWave(ビザ・ペイウェイブ)」の加盟店の整備を含めた普及に取り組む。そして、3つ目は、個人の利用に加え、中小企業、個人事業主のビジネスカードの分野でもVisaデビットカードの発行を拡大し、事業機会を広げていく考えだ。