J-Debit「キャッシュアウトサービス」開始に向け、運用ルールやシステムの整備が進む

2017年7月25日8:30

J-Debitの注目度向上・利用活性化につなげ、キャッシュレス化推進の一翼に

日本電子決済推進機構(日本デビットカード推進協議会)は、2017年4月1日に施行された銀行法施行規則改正に伴う規制緩和を受けて、J-Debit「キャッシュアウトサービス」のシステム開発や運用ルール作りを進めている。合わせて、地方公共団体や地方公営企業での支払いにデビットカードが使える「公金全額納付・手数料別請求方式サービス」のシステム開発も行い、どちらも2018年4月1日のスタートを目指す。これにより、J-Debitの注目度を高め、加盟店を増やして、日本におけるキャッシュレス化推進に一層、貢献していきたい考えだ。

欧米では一般的なキャッシュアウトサービス
日本でも2018年4月1日からスタートへ

「J-Debit(ジェイデビット)」は、全国の加盟店で、銀行、 信用金庫、 信用組合、 労働金庫や農協・漁協など、約4.2億枚の金融機関のキャッシュカードを用いて即時決済ができるサービスだ。多額な現金を持ち歩く必要も、わざわざATMに立ち寄って現金を引き出す手間もなく、普段手持ちのキャッシュカードで買い物や各種支払いができる。会計時に利用者本人がPIN(暗証番号)を入力するだけで、サインも不要で支払いが完了する仕組みだ。

日本電子決済推進機構 事務局長 廣﨑善啓氏

「キャッシュアウトサービス」とは、デビットカードで買い物をする際に、商品代金と引き出したい現金の合計金額を自身の口座から引き落とし、商品と現金を同時に受け取ることができるサービスだ。利用者にとっては、ATMなどに行かなくても買い物ついでに現金を引き出せるというメリットがある。生協などの宅配サービスを利用した場合などには、自宅にいながらにして現金を受け取ることが可能だ。一方、加盟店にとっては、利便性の向上による集客・販促効果が見込め、レジにとどまる現金が減ることによる現金管理コストの削減を図ることが可能になる。金融機関にとっては、ATMの設置などに比べ、低コストで現金受取チャネルを提供できるというメリットがある。

キャッシュアウトサービスのイメージ

キャッシュアウトサービスは、欧米では、デビットカードの機能のひとつとして一般的に使われてきた。日本でも2017年4月1日に施行された銀行法施行規則改正に伴う規制緩和により、サービスの提供が可能になったことで、日本電子決済推進機構(日本デビットカード推進協議会)は金融機関と協議しながら、具体的な運用ルール作りやシステム開発を進めてきた。2018年4月1日より、準備が整った金融機関、加盟店から順次、サービス提供を開始していく予定である。

従来、J-Debitは預貯金者保護法の対象ではなく不正使用時の補償については各金融機関で任意に対応していたが、キャッシュアウトサービスは利用者保護の観点で不正使用の場合、補償対象となる。また、金融機関による加盟店の審査や管理についても、今まで以上に厳格に行うこととし、日本デビットカード推進協議会では、J-Debitキャッシュアウトガイドラインや金融機関と加盟店間の契約内容のひな形なども作成し、金融機関、情報処理センタ、端末メーカ等の会員への説明・サポートを実施している。

J-Debitの利用シーンを拡大する
公金全額納付・手数料別請求方式サービス

一方の「公金全額納付・手数料別請求方式サービス」は、利用者の支払額を全額公的加盟機関に入金し、公的加盟機関が負担する手数料は後日請求する、総額主義の原則(すべての歳入および歳出を、その発生の事実に基づいて計上すること)に対応するシステムを開発することにより、提供が可能になったもの。

これによって、地方自治体や地方公営企業などへのJ-Debit決済の導入が一気に進むと期待される。すでに、地方の県立病院などからの問い合わせが相次いでいるという。実際の運用ルール等についても7月に固まった。

クレジットカードのセキュリティ強化の流れが
デビットカード普及の追い風に

J-Debitは2000年にスタートしたが、期待通りに普及が進んでいないのが現状だ。その最も大きな理由として日本電子決済推進機構 事務局長 廣﨑善啓氏は、「利用できる場所が決定的に少ないこと」を挙げる。「使っている人は利便性を十分実感していると思いますが、使っていない人は自分のキャッシュカードにそういった機能が付いていることすら知らないかもしれません。まずは使っていただくこと。そのためには加盟店を増やすことが重要で、今回リリースするキャッシュアウトサービスは、われわれにとってそのためのツールだととらえています」と同氏は話す。

加えて、2016年10月の割賦販売法改正の閣議決定により、クレジットカード情報管理が強化されたことが、J-Debit普及の追い風になると廣﨑氏は見る。ICカード化によりPIN入力を行うPINPADなどの導入が進めば、そのインフラを用いてJ-Debitにも対応しようという店舗が増えると考えられるからだ。

この機をとらえてJ-Debitの加盟店数、利用者数を拡大し、実際に使ってもらうことで利便性を実感してもらい、日本におけるキャッシュレス化推進の一翼を担っていきたい考えである。

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