2017年4月7日11:39
日本電子決済推進機構は、2017年4月1日から施行された、銀行法施行規則改正に伴う規制緩和を受けて、J-Debit「キャッシュアウトサービス」のシステム開発や運用ルール作りに着手し、2018年4月からのサービス開始を目指すと発表した。
J-Debitは、銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫や農協・漁協といった全国ほとんどの金融機関が発行した4.2億枚(国内全体の約9割)のキャッシュカードがそのまま使用できるサービスとなる。また、キャッシュアウトサービスとはスーパーなどの小売店で買い物ついでにデビットカード(銀行のキャッシュカード)を使って現金を引き出すことができるサービスで、米欧では幅広く活用されており、日本国内においても利用者の利便性を向上させるものとして普及が期待できる。
今回、日本電子決済推進機構では、個別の金融機関や加盟店の負担が少なくなるようにシステム開発を行い、導入企業の拡大を目指す。あわせて地方公共団体や地方公営企業での支払等にデビットカード(銀行のキャッシュカード)を使うことができる「公金全額納付・手数料別請求方式サービス」についても同時にシステム開発を行うとしており、公的機関や自治体窓口における支払方法として導入が進むことが期待できるそうだ。
キャッシュアウトサービスの利用者のメリットとして、①スーパーなどで買い物ついでに現金が引き出せる、②手持ちの現金が不足し、急に現金が必要になった場合にATMまで行く必要がない、③周辺にATMがないエリアでも、付近の店舗で現金の引き出しが可能、④宅配サービスにより、 自宅に居ながら現金の引き出しが可能――といった点が挙げられる。
導入企業のメリットは、①顧客利便性向上による集客、販売促進効果、②現金管理コストの削減が見込める、③“自宅で現金が引き出せる”現金宅配サービス等新たな金融サービスを提供、④ATMの設置に比べ、簡易に現金を引き出せるサービスを提供可能――などとなる。
なお、今回開発する公金全額納付・手数料別請求方式は、利用者の支払額を全額公的加盟機関に入金し、公的加盟機関が負担する手数料は後日請求する、総額主義の原則(すべての費用および収益を、その発生の事実に基づいて計上すること)に対応した方式となる。これにより、総額主義への未対応が要因でJ-Debit(銀行キャッシュカード)による支払に対応できていなかった地方自治体や地方公営企業などの公的加盟機関においてもJ-Debitによる支払いの導入が期待できるという。