2018年4月13日8:38
日本クレジットカード協会(JCCA)は、2018年4月12日、パレスホテル東京(東京都千代田区)において第41回通常総会を開催した。1984年に発足されたJCCAは現在、117社の会員会社で運営している。
2017年度は観光立国実現に向けた取り組みを推進
総会では、まず第40期日本クレジットカード協会会長の三井住友カード 代表取締役社長兼最高執行役員 久保健氏から、第40期(2017年4月~2018年3月)の事業報告が行われた。JCCAでは、2014~2016年度にわたって継続的に観光立国実現に向けた取り組みを推進してきたが、2017年度は、「民泊」による長期滞在型観光を軸とした地域経済活性化およびキャッシュレス推進に焦点を当てて、「民泊とキャッシュレスを両輪とする地域を巻き込んだ観光立国推進に向けて」という調査報告書を取りまとめ、発表した。また、ICクレジットカードに関する消費者意識調査を実施している。
クレジットカード事業に関する広報やPRとして、プレミアムフライデーに対する業界推進、クレジットカード川柳コンテストなどを実施している。さらに、ICクレジットカードの正しい取り扱いに関する案内、消費者信用関連団体共同 多重債務防止キャンペーンの実施、不正被害トレンドなどを踏まえた啓発活動を行っている。
続いて、会計報告、ならびに久保会長をはじめとする理事・監事の任期満了に伴う役員選任が審議・承認された。その後の決議により、第41期日本クレジットカード協会会長には、三菱UFJニコス 代表取締役社長兼社長執行役員の井上 治夫氏、副会長には、ジェーシービー 代表取締役兼執行役員社長の浜川 一郎氏が就任した。また、来賓の金融庁、経済産業省の担当者が現在の取り組みに関して挨拶した。
「CAT共同利用システム」のIC化率は75.4%
会長に就任した井上氏は、第41期の活動方針骨子として、①「安全」「安心」なクレジットカード社会の発展に向けた市場環境の整備、②クレジットカード取引に関する消費者利便性の向上、③クレジットカード関連法制に関する取り組みと消費者保護対応、の3つを挙げた。
JCCAが主宰する「CAT共同利用システム」(各クレジットカード会社が相互に共同利用できるシステム)の設置台数約175万台、そのうち「ICカード対応端末」は132万台(いずれも2018年3月末時点)となり、ICカード化率は75.4%と前年度より高まっている。
クレジットカードのショッピング取扱高は前年比8.2%増と成長しているものの、決済比率は18%にとどまっている。JCCAでは今後、デジタル通貨やバーコード決済など、世界の動向を踏まえつつ、さらなるキャッシュレス化推進の方策に取り組んでいきたいとした。また、クレジット取引セキュリティ対策協議会が策定した「クレジットカード取引における セキュリティ対策の強化に向けた実行計画2018」の決済端末のIC化のさらなる推進など、不正利用対策等にも継続して取り組む方針だ。