2018年4月23日8:00
「クレジットカードビジネス市場要覧」では、フィリピンのクレジットカードビジネスについて紹介している。フィリピン(PH)の概要は(図表)の通りで、データは原則2015年のものである。フィリピンの国土面積は30万平方キロメートル、日本のおよそ8割、人口は1億98万人とASEANではインドネシアに次いで2番目で、名目GDP(2015年)は 2,924億ドル(約35兆円)で世界ランキング第39位、一人あたりのGDPは2,862ドル(約34万円)で、世界ランキングは第126位で、ASEANでは10カ国中インドネシアに次いで第6位である。
(図表)フィリピンの概要(2015年)
国名・ISOコード |
フィリピン共和国(PH) |
エリア |
東南アシア、アセアン |
国土面積 |
30万平方キロメートル、日本のおよそ8割 |
人口 |
1億98万人 |
首都 |
マニラ |
主な言語 |
フィリピン語、英語 |
通貨・通貨コード |
ペソ(PES) |
名目GDP(2015年) |
2,924億ドル 39位 |
一人GDP |
2,862ドル 126位 |
銀行数 |
40行 43位 |
銀行支店数 |
6,020店 26位 (IMF) |
成人人口10万人当たりの銀行支店数 |
8.84店 120位 (IMF) |
ATM設置台数 |
17,317台 24位 |
成人人口10万人当たりのATM設置台数 |
25.27台 119位 |
インターネットユーザー数 |
4,098万人 16位(ITU) |
インターネット普及率 |
40.70% 125位(ITU) |
モバイルフォン契約数 |
1億2,025万件 12位(ITU) |
モバイルフォン普及率 |
118.12% 80位(ITU) |
出典:外務省、ワールド・ペイメント・ガイド、Global Note、IMF、ITU他
IMFのデータによると、フィリピンの銀行数は40行で世界第43位、銀行支店数は6,020店で世界第26位、成人人口10万人当たりの銀行支店数は8.84店で世界第120位である。フィリピンの銀行支店数と成人人口10万人当たりの銀行支店数の2004年から2015年までの12年間の推移として、銀行支店数は2004年の4,310店から2015年の6,020店へと11年間で1,710店40%増加している。成人人口10万人当たりの銀行支店数は、2004年の8.22店から2015年の8.84店へ0.62ポイント増加している。
フィリピンのATM設置台数は17,317台で世界ランキングは第24位、成人人口10万人当たりのATM設置台数は25.27台で世界ランキングは第119位であるが、フィリピンのATM設置台数はのように2004年の5,469台から2015年の17,317台へ11年間で11,848台3.1倍に増加している。成人人口10万人当たりのATM設置台数は2004年の10.33台から2015年の25.27台へと2.4倍に拡大している。
ITUのデータによると、フィリピンのインターネットユーザー数は4,098万人で世界ランキング第16位、インターネット普及率は40.70%で世界ランキング第125位である。モバイルフォン契約数は1億2,025万件で世界第12位、モバイルフォン普及率は118.12%で世界ランキング第80位である。
フィリピンのクレジットカード発行枚数
フィリピンのクレジットカード発行枚数は、フィリピンの中央銀行(Bangko Sentral ng Pilipinas)やフィリピンクレジットカード協会(CCAP:Credit Card Association of the Philippines)などからは公式のデータ開示は行われていないが、BDOやMetro Bank、BPI、Land Bank、PNB、Security Bank、China Bank、RCBC、Union Bank、Citi Bankといった主要10行を中心に、Visaやマスターカード、アメリカン・エキスプレス、JCB、中国銀聯、ダイナースクラブの国際ブランドのクレジットカードがおよそ1,000万枚発行されているといわれる。
世界銀行は、フィリピン人の30%が銀行口座を有し、フィリピン人の3%がクレジットカードホルダーで、デビットカードを有するフィリピン人は13%と推計している。
クレジットカードイシュアバンクのスタンダードカード
フィリピンのクレジットカードイシュアバンクの大手10行のスタンダードカードの比較として、リボルビング払いは、グレースピリオドが20日から54日設定され、リボルビング金利は月3.25%から3.54%の範囲で平均残高ベースに対して課金される。
スタンダードカードの年会費はLand Bankが850ペソと最も低価であるが、概ね1,500ペソ(約3,000円)となっており、多くのイシュアバンクが初年度無料としている。China Bankは、年会費1,440ペソ(約2,880円)に加え、加入金として1,200ペソ(約2,400円)を徴収している。このほかに、外国におけるカード決済金額に対して、2%~3%の外国為替取引の手数料が徴収される。