2018年5月8日8:00
セブン銀行、セブン‐イレブン・ジャパン、およびセブン銀行子会社のセブン・ペイメントサービスは、2018年5月7日から、銀行口座を介さずに企業から個人に宛てた送金をセブン銀行ATMとセブン‐イレブンのレジで受け取ることができる「現金受取サービス」を開始した。
紙幣はATM、硬貨はセブン‐イレブンのレジで受取可能
硬貨は電子マネー「nanaco」へのチャージも可能
「現金受取サービス」は、全国2万4,000台を超えるセブン銀行ATM、および2万店を超えるセブン‐イレブンのレジで、企業から個人宛ての送金が受取可能になるサービスだ。セブン・ペイメントサービス 代表取締役社長 和田 哲士氏によると、レジで企業からの現金を受け取れるサービスは一部あるが、「ATMとレジの両方で現金を受取可能なサービスは国内初」だという。
利用者は、電子メール、SMSなどで企業から送付される「提携先コード」「お客様番号」「確認番号」の各番号をセブン銀行ATMに入力すると、現金を受取ることができる。紙幣はATM、硬貨はセブン‐イレブンのレジでそれぞれ受け取ることが可能だ。1回あたりの受取上限額は10万円。
また、硬貨の受取方法は、利用者が手持ちの電子マネー「nanaco」へのチャージや、「セブン‐イレブン記念財団」への募金を選択することもできる。硬貨受取りでnanacoを選択した人には、翌月15日に「nanacoポイント10ポイント」がプレゼントされる。
レジ受取の際は、ATMから紙幣とバーコード付きレシートを受け取って、セブン‐イレブンのレジでレシートを提示し硬貨を受け取る。受取時にはサインも必要だ。
助太刀は現場で働く職人の負担を軽減
アプリ上の操作で申請から受取まで完結
5月開始もしくは予定企業として、赤ちゃん本舗、イトーヨーカ堂、エアークローゼット、JM、助太刀、セブンネットショッピング、千趣会、そごう・西武、ラクサス・テクノロジーズ、ロフトが名を連ねる。また、収納代行企業のウェルネット経由では、京浜急行バス、ジェイアールバス関東、北海道中央バス、名鉄バスなどのバス会社も5月にサービス開始する。さらに、IoTスクエア、クセスプログレス、アフラック生命保険、SMBCコンシューマーファイナンス、ニッセン、三井住友海上火災保険、リブセンスも6月以降順次サービスを開始する予定だ。
たとえば、建設現場と職人のマッチングアプリ「助太刀」を提供する助太刀では、「現金受取サービス」を5月7日から導入した。建設業の支払い期間は非常に長く、職人にとって負担になっていたという。「即日受取サービス」により、当日の仕事が終わった時点で24時間365日申請ができ、現金をセブン銀行ATMで受け取ることが可能だ。書類手続きなどがなく、すべてアプリ上の操作で申請から受取まで完結する。
助太刀 ペイメント事業部 関根大介氏は、「建設業界は下請けや関連企業など、多重の構造となっており、職人が働いた工事代金は翌月末、翌々月末払いなど、長い期間になっていました。職人からもその日の働いた代金をその日に受け取りたいという要望が強くあったため、セブン銀行様で即日受け取ることができるサービスを作らせていただきました」と説明する。助太刀では、建設業界初となる同サービスにより、競合他社との差別化を図る狙いだ。
個人間売買のプラットフォーマーの採用に期待
銀行口座を介さない付加価値を提供へ
具体的な企業からの需要として、ネット通販の返品に伴う返金、チケット等のキャンセル金の支払いに加え、個人間売買のプラットフォーマーとも話を進めているという。和田氏は、「個人間売買は、お金のやりとりはプラットフォーマーを通じて行いますので、企業から個人の売上金の支払いとして大きなニーズがあると感じています」と期待する。また、報酬の支払いをはじめ、当初見込んでいなかった用途での引き合いがある。
送金手数料は、お金を送る企業が支払う仕組みとなり、他社と同等もしくは若干安い程となっているが、銀行口座を介さない利点、リアルタイムで現金を受け取れる付加価値があると考えている。まずは、2018年度内に100社との契約を目指す。