2018年6月11日8:12
2018年4月15日、16日に中東・ドバイで開催された「Seamless Middle East2018」のジェムアルト(Gemalto)のブースでは、指紋センサーを搭載した非接触決済カードが展示された。同カードは、キプロスのキプロス銀行で採用されると共に、中東/アフリカの技術会社であるレバノンのareeba(アルーバ)と提携し、Visaによる中東初のパイロットを行う予定だ。
接触と非接触の両方に対応した世界初のカード
高額な支払いでもPINレスで利用可能
ジェムアルトが提供する「デュアルインターフェイス生体認証対応EMV決済カード」は、接触と非接触認証の両方に対応する世界初のカードとなる。Gemalto Middle East & Africa Banking Solutions & Services Director デビッド・ノエル・ラーディン(David Noel Lardin)氏は、「バッテリーレスのためコストも安くなりますし、長期間お使いいただけるというアドバンテージがあります」と説明する。
利用者は、カード決済時に指紋認証を行い、決済端末の給電エリアに入れば、少ないエネルギー消費で支払いが可能だ。少額の支払いに加え、高額な支払いでもPIN入力なしでスピーディに支払いができるという。また、カードは決済端末から電力供給されるためバッテリーは不要で、カードのバッテリー寿命の心配が不要なほか、トランザクション数も上限がない。
さらに、バッテリー搭載カードの場合、使用後の処理も必要だが、その心配が少なくなるとした。なお、同カードの提供に向けては、ノルウェーのZwipeと連携している。
キプロス銀行やアルーバと提携
中東で非接触決済の普及も進む
すでに同カードは、キプロスのキプロス銀行で採用された。これに加え、4月15日には、前述のZwipe、Visa初のバッテリーレスの非接触決済カードをパイロットするUnilux Cardsと連携し、中東/アフリカの金融技術会社であるレバノンのareeba(アルーバ)との提携も発表した。areebaは今回のパイロットにより、従来のPINの使用に比べ、利用者に迅速で簡単な支払いプロセスを提供できると期待する。ラーディン氏は、「将来的に、このカードはすごく普及すると思います」と自信を見せる。
なお、中東でも非接触IC決済の浸透が進んでいるという。ジェマルトでは、国際的なコンタクトレスペイメントのシェアは約50%だというが、サウジアラビアでは80%のシェアがあるという。
また、NFCモバイルペイメントも「Apple Pay」や「Samsung Pay」などに対応したNFCモバイルプラットフォームを中東に加え、米国、欧州、香港、日本など、さまざまな国で提供している。
※取材は2018年4月15日、16日にUAE ドバイで開催された「Seamless Middle East2018」のGemaltoブースにて