2018年9月6日14:46
大日本印刷(DNP)は、駐車場や飲食店などに設置した自動精算機や券売機に搭載でき、高度な情報セキュリティ環境のもと、ICクレジットカードや汎用電子マネーなどの決済に対応したマルチ決済端末およびサービスの提供を開始すると発表した。同サービスは2019年春に開始する予定だ。
DNPは、POS側にクレジットカード情報を保持することなく、セキュアな環境下で多様な決済手段にワンストップで対応できる「DNPマルチペイメントサービス」を2017年2月から展開しており、2018年4月には同サービスに対応した専用の決済端末を発売した。今回新たに当サービスの機能を拡充し、自動精算機や券売機でのICクレジットカード読取対応をした決済端末を提供するとともに、DNPが推進する「IoST(Internet of Secure Things)プラットフォーム」による遠隔監視サービスとの連携により、保守効率性の高い決済端末、サービスを提供可能となる。
具体的に、同サービスでは、1つの決済端末で磁気、接触IC・非接触IC(FeliCa含む)に対応し、すべてのICクレジットカード、汎用電子マネーなど多様な決済をワンストップで行うことが可能だ。
また、改正割賦販売法では、2020年3月までにクレジットカード加盟店に対して、決済端末のICクレジット対応およびクレジットカード情報の非保持化を求めているが、同サービスではその課題に対応可能だ。ICクレジットカード読取に対応した決済端末およびPCI DSSに準拠した高セキュリティな決済をASPサービスで提供することで、クレジットカード情報を精算機や券売機に保持しないようにするという。
さらに、DNPがクレジットカードやキャッシュカードなどのICカードの事業で培ったノウハウを活用した高セキュリティな遠隔監視システムを搭載している。その特長は、ICクレジットカードや汎用電子マネー用のアプリケーションの追加・更新および、端末とサーバーのネットワーク間の安全・安心な情報の流通を実現する暗号鍵の自動更新を遠隔で実現し、常に最新のソフトウェア環境、セキュリティ環境を維持するそうだ。
さらに、オプションで、決済端末を搭載した無人の精算機自体を監視できる機能も拡充可能だ。これにより、自動精算機で取り扱う消耗品や紙幣硬貨の残量把握、さらには販売メニュー情報の変更や購買履歴の取得など、保守サービスやマーケティングを効率よく行うことができる。
DNPでは、「DNPマルチペイメントサービス」とマルチ決済端末を中心に、QRコード決済をはじめとした決済手段や顧客サービスの拡充なども進め、関連事業を含めて2020年に20億円の売上を目指す。