2018年10月11日17:49
日立製作所とKDDI総合研究所は、スマートフォンやタブレットに付属の汎用カメラで撮影した掌紋(手のひらの皮膚紋理)から公開鍵認証(利用者の電子署名生成と署名検証)を行う掌紋向けPBI技術を開発したと発表した。
日立とKDDI総合研究所は、揺らぎのある生体情報を安全な形式で電子署名に使うことができる日立独自のPBI技術と、KDDI総合研究所が開発した汎用カメラを用いた掌紋認証技術を組み合わせ、新たに掌紋画像の「位置ずれ補正処理」および「揺らぎ低減処理」を開発することで、専用装置が不要な生体認証を実現したそうだ。
同技術では、汎用カメラで取得した生体情報を用いて、電子署名に必要な秘密鍵を一時的に生成して利用することができるため、秘密鍵の管理を不要とし、機微情報の漏えいやなりすましの防止効果を高めるという。また、生体認証用の専用装置も不要となるため、家庭や外出先など場所を選ばず、電子商取引やネットバンキングなど、さまざまなオンライン取引において本人認証が可能となる。
さらに、すでに確立した顔認証と掌紋向けPBIを1台のタブレットに組み込むことによりマルチモーダル認証を実現し、店頭での手ぶら決済も可能だ。
日立とKDDI総合研究所が今回開発した汎用カメラの掌紋向けPBI技術に加え、日立は汎用カメラ指静脈技術の開発に取り組んでいるという。