2018年11月1日8:30
プリペイドカードは、クレジットカードとデビットカードとともに、キャッシュレスへの三本の矢の1つである。「フューチャーペイメント要覧」の第5章ではオンラインプリペイドカードについて取り上げているが、今回はIC乗車券が付いたプリペイドカードについて紹介する。
コンタクトレスペイメント機能が付いたプリペイドカードが米国で登場
近年、Visa payWaveや Mastercard Contactless(Mastercardコンタクトレス)といったコンタクトレスペイメント機能が付いたオープンループのオンラインプリペイドカードがIC乗車券として利用されている。
アメリカでは、イリノイ州のシカゴエリアでRTAトランジットベネフィットプリペイドマスターカードやVentraプリペイドマスターカードといった Mastercard Contactlessのコンタクトレスペイメント機能が付いたオープンループのオンラインプリペイドカードがIC乗車券として利用されているほか、ペンシルバニア州のフィラデルフィアでもIC乗車券としてSEPTA Keyプリペイドマスターカードが発行されている。ニューヨークでは、Visa payWaveのコンタクトレスペイメント機能が付いたオープンループのオンラインプリペイドカードであるTransit Check VISAプリペイドカードがIC乗車券として利用されている。アメリカユタ州のソルトレイクやニューヨークでは、Visa payWaveや Mastercard Contactlessといったコンタクトレスペイメント機能が付いたクレジットカードやデビットカード、プリペイドカードのIC乗車券としての利用を図るための実証実験が行われている。メキシコの首都メキシコシティでは、MEXプリペイドマスターカードというMastercard Contactlessのコンタクトレスペイメント機能が付いたオープンループのオンラインプリペイドカードがIC乗車券として利用されている。
イギリスのロンドンでは、Visa payWaveやMastercard Contactlessといったコンタクトレスペイメント機能が付いたクレジットカードやデビットカード、プリペイドカードによるIC乗車券のバスや地下鉄での利用が、2012年に開催されたロンドン五輪を機に始められている。東欧のクロアチアのリエカでは、オープンループのオンラインプリペイドカードであり、スマートシティカードであるダイナースクラブRijeka City CardにIC乗車券機能が付いている。
アフリカやアジアの事例は?
南アフリカでは、ケープタウンでMy CitiプリペイドマスターカードというMastercard Contactless機能を搭載したマスターカードブランドのオープンループのオンラインプリペイドカードによるIC乗車券が発行されているほか、いくつかの事例がある。モバイルペイメント・ソリューションのM-Pesaが普及しているケニアでも、Auto BranchプリペイドマスターカードなどMastercard Contactless機能を搭載したマスターカードブランドのオープンループのオンラインプリペイドカードによるIC乗車券が発行されている。
アジアでもシンガポールやフィリピン、インドでコンタクトレスペイメント機能が付いたオープンループのオンラインプリペイドカードにIC乗車券機能の搭載が行われている。シンガポールでは2009年9月よりマスターカードやアメリカン・エキスプレスブランドのオープンループのオンラインプリペイドカードにシンガポールのIC乗車券であるEZ-Link機能を搭載したCare Bears FEVOプリペイドマスターカードやIMAZINE EZ-Linkアメリカン・エキスプレスカードが発行されている。フィリピンの首都マニラでは、市内鉄道のIC乗車券Beep機能が搭載されたGlobe BeepプリペイドマスターカードやBPI Beep VISAプリペイドカードが発行されている。インドでは、クレジットカードやデビットカード、プリペイドカードといったペイメントカードのインドのナショナルネットワークであるRu PayブランドのオープンループのオンラインプリペイドカードにIC乗車券機能が搭載されたKMRL Axis Bank Kochi Ru PayプリペイドカードやIRCTC UBI Ru Payプリペイドカードなどが発行されている。