ファミリーマートがバーコード決済サービスを積極的に導入する理由とは?

2019年1月15日8:00

「d払い」「LINE Pay」「PayPay」「楽天ペイ(アプリ決済)」「Alipay」「WeChat Pay」に対応

ファミリーマートは、2018年12月4日から、バーコード決済サービス「d払い」、「LINE Pay」、「PayPay」、「楽天ペイ(アプリ決済)」を全国のファミリーマート全店舗で対応開始した。また、2019年1月下旬を目途に、「Alipay(支付宝)」と「WeChat Pay(微信支付)」の対応を予定している。同社担当者に、バーコード決済サービスに対応した経緯について、話を聞いた。

ファミリーマート 新規事業開発本部 金融部 ATMグループ 堀尾大樹氏

多様化する決済手段にいち早く対応
ファミリーマートの非現金決済比率は約20%

ファミリーマートでは、顧客の利便性向上を考え、さまざまな決済サービスに対応してきた。ファミリーマート 新規事業開発本部 金融部 ATMグループ 堀尾大樹氏は、「バーコード決済サービスについても、前向きに取り組んでおり、多様化する決済ニーズにいち早く対応することで、お客様に利便性を感じていただき、店舗に来店していただけるきっかけにしていきたい」と話す。

店舗では、クレジットカード、各種電子マネー、「uniko」や「Tマネー」といったプリペイドカードなどでの支払いが可能だ。電子マネーについては、「Suica」・「WAON」にいち早く対応した実績がある。現状、ファミリーマートの非現金決済比率は約20%だが、「政府は2025年までのキャッシュレス化比率40%を目標に掲げているので、さらに高めていきたい」と堀尾氏は意気込みを見せる。

国内外で展開するバーコード決済サービスの多くが、QR決済と一次元バーコードの双方に対応しているが、ファミリーマートでは、一次元バーコードに対応することで、現在4つのサービスを導入している。(さらに、Alipay・WeChat Payを1月下旬に開始予定)

また、既に類似のサービスとして、モバイルTカードを利用したTマネーに対応。堀尾氏は、「Tマネーはお客様の囲い込みに役立てられると、店舗の現場から前向きに捉えられている」と口にする。

大規模会員を抱え、ポイント活用などの利用促進策も魅力に
導入に向け、スイッチングのゲートウェイを利用

新たに導入した国内のバーコード決済サービスは、それぞれ大規模な会員を抱えており、ポイントサービスなどの会員サービスを展開している。各事業者でそれぞれ、利用促進策が実施されるため、店舗への送客につながると期待する。

今回の導入に向けては、現場の担当部署と打合せを重ね、事前にオペレーション動画を店舗に配信したり、レジ周辺での使用を想定したガイドを作成するなど、各決済時に店舗スタッフが混乱しないように配慮した。

導入後の決済フローとして、利用者が伝えた決済手段をスタッフがPOSで選択し、バーコードリーダーでスマホのバーコードを読み取る方法となっている。今後は、スタッフの負荷を減らすため、バーコードを読み取ると、各決済手段に自動で仕分けられる機能の採用なども検討したいと話している。なお、各サービスの導入においては、スイッチングのゲートウェイを採用した。同ゲートウェイにより、複数の決済サービスの短期間での導入、システムの1本化による決済導入の負荷を軽減させている。

導入後は、ファミリーマートのオペレーションとして、大きな問題は発生していないそうだ。その一方で、各バーコード決済の仕組みについて、顧客から店舗のスタッフに尋ねられるケースも多く、そのフォローの必要性も感じたという。

「スマホによる決済シーンは、4つのバーコード決済サービス以外にも料金収納や、モバイルTカードがあるので、各サービスの違いを説明しなければなりません。サービス対応後は、PayPayの大規模なキャンペーンにより、利用件数も多かったため、スタッフが現場で学んだ部分も大きいと感じている」(堀尾氏)

具体的な導入後の売上は非公表だが、キャンペーンの成果もあり、2018年12月はPayPayの利用が多かった。また、PayPay利用者は、3割ほど客単価が高い。その要因として、PayPayキャンペーンによる40人に1人の全額キャッシュバックが効果を発揮していると推測した。

バーコード決済サービスのさらなる浸透に向けては、「『Suica』などのモバイル決済を利用されているお客様は、アプリを立ち上げる過程が面倒だと感じられる方もいらっしゃるが、それを上回る必然性をどこまで出せるかが重要」と堀尾氏は見解を述べた。例えば、Suicaのように、大きなインセンティブがなくても、生活の一部としての利便性、必然性が高まれれば、普及する可能性が高いとしている。

Alipay、WeChat Payは春節に向け利用促進策も検討
6つの決済サービス以外の導入も検討へ

インバウンド決済としては、AlipayとWeChat Payの全店対応を進める。すでにファミリーマートでは、先行して2016年8月からAlipay、2018 年2月からWeChat Payの利用を一部店舗で導入している。ホテルや繁華街、観光地付近など、ニーズがある店舗に絞って導入しているが、その成果はあり、決済単価も店舗平均よりも高い。中国の旧正月に当たる2月の春節までには全店舗へ導入する予定で、利用促進策も検討している。

ファミリーマートでは、顧客利便性向上に向け、今後も新たなバーコード決済サービスの導入を検討している。堀尾氏は、「お客様のニーズやバックボーン、顧客基盤、マーケティングへの活用など、総合的に考えていきたい」とした。なお、グループのUFI FUTECHと伊藤忠商事では、無料送金アプリ「pring」を展開するpringに出資している。

それに加え、2019年7月を目処にファミリーマートの新たなスマホアプリ「ファミペイ(Fami Pay)」の展開を検討しており、その動向にも注目が集まる。

さらに、バーコード決済サービス以外では、改正割賦販売法対応として、接触のICクレジットカード対応を予定しており、国際ブランドが提供する非接触決済もあわせて検討している。

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