2010年10月28日8:36
「注目のペイメントビジネス」~イズミ/ゆめカード(1)
磁気ストライプ方式のカードを利用した電子マネー「ゆめか」を発行
既存のポイントシステムとの連携で顧客の囲い込みを狙う
イズミは7 月27 日から、グループ会社のゆめカードが開発・運営する電子マネー「ゆめか」の発行・利用を開始した。ゆめタウン広島でのスタートを皮切りに、年内は13店舗で利用を開始する。2011年以降はゆめタウン、イズミ全店への導入を目指すとともに、新しい「地域通貨」として、グループ外加盟店の開拓にも取り組んでいく方針だ。
既存のシステムの利用により
幅広い年代から支持を受ける
イズミでは、顧客の利便性向上と、決済方法の選択肢を広げる目的で電子マネー「Edy」「nanaco」などの試験導入を行ってきた。同社ではその成果をもとに磁気ストライプ方式のカードを利用した独自電子マネー「ゆめか」の発行を開始した。
「新カードは、500万人以上の方にご利用いただいているポイントカード『ゆめカード』のポイント管理の仕組みを活用している。そのため、各店舗はリーダライタの設置など、インフラの整備がそれほど必要なく、システムを導入することが可能です」(イズミ担当者)
ゆめかの年会費・発行手数料は無料。導入店舗では、新規発行の現金専用ゆめカードを全てゆめか機能付きのものとするという。ゆめカード会員は、ゆめかのカードに切り替えることで従来の100円の買い物で値引積立額(お買物ポイント)1円に加え、ゆめか利用特典のプラス0.5 円が付与される。チャージ上限額は3万円で、入金場所はイズミ直営の売り場のPOSレジを利用して実施。有効期限は2年間でその間に利用のない金額は失効する。なお、申し込みの際は個人情報の登録が必要になる。
カードを発行するゆめカードでは磁気カードを採用したことのメリットを次のように説明。
「他社のIC電子マネーの場合は、利用者が若年層に偏っていましたが、ゆめかは従来のゆめカードと利用方法が変わらないため、高齢者をはじめ、幅広い年代の方にご利用いただいています」(ゆめカード担当者)
発行から3カ月経過した時点では、ゆめカードの新規入会者は従来発行していたゆめカードの月々の入会者と比べ、約1.5倍の割合で伸びている。ゆめカード担当者は「お客様の切り替え、利用も含めて、当初の想定以上の成果を上げている」と口にする。カード会社であるゆめカードとしては、「法改正などの影響もありカード会社を取り巻く環境は厳しくなっていますが、ゆめかにより新たな収益モデルを確立したい」と意気込みを語った。