2019年3月15日8:43

デジタル決済プラットフォーム「PAYCIERGE」を展開するTISは、さらなるキャッシュレス社会を実現させるための事業戦略、およびサービス提供事例の説明会を2019年3月14日に開催した。

50%以上のカード会社が同社経由の取引処理
デビット、プリペイド、クレジットのさまざまなサービスに対応

TISは、創業以来、クレジットカード会社向けの基幹システムの提供を担うなど、決済業界で核となるサービスに関わってきた。TIS 執行役員 サービス事業統括本部 デジタルトランスフォーメーション営業企画ユニット ジェネラルマネージャー 音喜多功氏は、「クレジットカードにおける取扱高の50%強が弊社のお客様、弊社のサービスを経由して処理されています」と説明する。
※主要ランク25社のうち10社(2017年9月発行 月刊消費者信用のデータを元に算出)

TIS 執行役員 サービス事業統括本部 デジタルトランスフォーメーション営業企画ユニット ジェネラルマネージャー 音喜多功氏

TISでは、2013年からリテール決済ソリューションのトータルブランド「PAYCIERGE(ペイシェルジュ)」を展開。2013年から即時払いのデビット発行をサポートする「デビットキューブプラス」、2014年から前払いのプリペイド発行に対応した「プリペイドキューブプラス」を提供している。また、2015年に決済を中継するサービスである「マルチ決済サービス(CARDWORKS)」および、店舗向けにクーポンを発行する「CLO-Linked-Offer(CLO)」、2017年に自分のスマートフォンで自分の決済カードを管理できるカードセルフマネジメントサービス「CARD×DRIVE」、および、スマートフォンに各種決済カード(デビット、プリペイド、クレジット)を登録して、タッチ決済を実現する「ウォレットイーボ」、2018年にクレジットカードの発行業務に必要となる環境をトータルで提供する「クレジットキューブプラス」(開発中)といったサービスを順次追加している。

なお、「ウォレットイーボ」は、金融機関のキャッシュカードやデビットカードをモバイルアプリ化するサービスであり、三菱UFJ銀行の「「MUFG Wallet」では、TISと協力して決済情報・カード情報をトークン化(暗号化)し、セキュアに格納する予定だ。

新たな取り組みとして、国内外のウォレットサービスのQR決済システムを追加できるサービスである「キューアールドライブ」を開始。接続先のQR決済サービスも順次追加している。また、国内外のQR決済手段を国内での移動や購買にそのまま利用できる「デジタルチケットサービス」の提供に力を入れている。

さらに、スマホ決済の普及などで決済事業者の決済手数料が下がることが予想される中、来年度はデータの利活用による収益モデルの確立を支援していきたいとしている。

デジタル口座決済の成長が見込める
EMVコンタクトレスやQR決済も支援

続いて、同部 エグゼクティブフェロー 舘康二氏がキャッシュレス決済市場の概況を説明。現在、家計消費335兆円のうち、政府が2025年に目標としている40%の決済比率をあてはめると135兆円となるが、今後はシェアリングエコノミーの浸透、デジタル口座でも給与払いが可能になり、10兆円ほどの市場規模になると予測する。さらに、店頭でのスマホ決済の普及により、30兆円ほどの規模になるとした。一方で、最も大きなキャッシュレス決済は、従来通りクレジットカード決済で変わらないとしている。

TIS サービス事業統括本部 デジタルトランスフォーメーション営業企画ユニット エグゼクティブフェロー 舘康二氏

「PAYCIERGE」では、今後はスマートフォンに加え、ウェアラブル、自動車など、さまざまなデバイスがインターネットに接続されると考えており、前述のトークンリクエスタ代行サービスにより、安心・安全な決済機能をトークンにより実現できるとした。舘氏は、「1枚のカードが様々な場面で使われますので、ID情報を別の番号に変えて渡しますが、ゲートウェイの役割を果たします」と説明した。

デジタル口座サービスでは、国際ブランド(プリペイド、デビット、プリペイド)、銀行口座、暗号通貨など、多様な支払いに対応する。また、Visaのタッチ決済、MastercardコンタクトレスといったEMVコンタクトレスもサポートしている。

そのほか、QRコード決済に代表されるデジタル口座決済を小売店や交通事業者に一元的に提供。たとえば、三井住友カードとは、「銀聯QRコード決済」で提携しており、銀座松屋、近鉄百貨店などに2018年12月から順次提供を開始した。

さらに、安心・安全な取り組みとして、デビットキューブプラスとプリペイドキューブプラスに、リアルタイム不正検知機能を搭載している。

TISの2019年度のトピックスは?
デジタル口座、MaaS、スーパーシティの取り組み強化

最後に音喜多氏は、2019年度のトピックスとして、デジタル口座、MaaS、スーパーシティを挙げた。

デジタル口座では、スマートフォン決済/QR決済もあわせて取り組みを強化する。MaaSでは、鉄道事業者にとどまらず、バス等を含めた全国の交通事業者と連携をしていき、まずはインバウンドのQR決済が直接利用できるサービスを拡げていきたいとのことだ。自動改札機のライフサイクルは7~10年ほどとなるが、タブレットを設置すれば、自動改札機のライフサイクルを待たずに、QR決済の仕組みを導入することが可能となる。

すでに沖縄都市モノレール「ゆいレール」で 「Alipay(支付宝)」利用の実証実験を実施。同実証実験では、シンクライアントサーバ側で処理をする方法を採用した。これにより、企画券の追加や賃金の計算ロジックを変える場合は、シンクライアントサーバー側のアプリ改修のみで変更可能となるため、従来方式の改札機側の改修にかかる負担を軽減できるそうだ。

また、シンクライアント側のサーバで処理する、TISが出資するQUADRAC社の技術を活用することで、コストは抑制できるとしている。

さらに、国内のスマートシティの取り組みで先行する福島県会津若松市では、スマートシティプロジェクトの戦略拠点として4月22日にICTオフィス「スマートシティAiCT(アイクト)」を開所するが、TISでも同拠点をベースにスマートシティの実験や産官学のイベントを活性化させていきたいとした。

※説明者の部署は2019年4月以降の新部署
交通や自動改札機の対応については、説明を付加(3月19日)

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