2019年4月16日8:00
トライアルホールディングス(トライアル)とRetail AIは、2019年4月15日に記者説明会を開催し、4月19日にフラッグシップ店舗である「メガセンタートライアル新宮店」をスマートストアにリニューアルオープンし、小売に特化した「リテールAIカメラ」を1,500台を導入すると発表した。
小売りの変革を目指すRetail AI
トライアルでは、テクノロジーで変革をもたらすため、日本初夜間無人運営可能店舗「トライアル Quick 大野城店」をオープン。日本電子決済推進機構が運営するJ-Debitサービスにより、トライアルの専用プリペイドカードチャージ機で金融機関のキャッシュカードを利用して、銀行口座から直接チャージできるプリペイドカードサービスなどを先駆けて実施するなど注目されている。
同社では、2018年11月1日にRetail AIを設立。自社開発のリテールAIカメラを活用した店内・棚前の顧客の買物行動の分析、棚の監視、タブレットカートやサイネージと連動したショッパーマーケティングの展開などを行い、小売業の変革を目指している。
Retail AIでは、ソニー、キヤノン出身者など、大手電機メーカーやAIベンチャー出身の技術者を国内に約50名抱えている。すでに「スーパーセンタートライアル アイランドシティ店」において、スマートフォンカメラを活用した取り組みを実施。新たにオープンする「メガセンタートライアル新宮店」では、自社で開発したカメラを1,500台活用する。Retail AI 代表取締役 永田洋幸 氏によると、中国・深圳において、リテールに特化したカメラを安価に開発したそうだ。
利用者の状況に応じてサイネージ広告を配信
例えば、棚の前を何人通過しているのか、欠品がどの程度あるかをカメラで判別できる。カメラは、1,300万画素となり、Androidにも対応。また、電波環境に合わせてWi-Fi、Bluetooth、有線LANでネットワーク接続でき、HDMI、USBも付帯している。さらに、「スーパーセンタートライアル アイランドシティ店」に設置したスマートフォンの45%のサイズを実現した。
「リテールAIカメラ」は、HDMIを利用してテレビに接続ができ、利用者の状況に応じてサイネージ広告を流すことが可能だ。また、利用者に応じてサイネージをレコメンドできることが売りとなり、例えば、棚の前でどの商品を購入するか悩んでいる人には単品商品、カートを押している人には箱買いをお勧めするといった活用ができる。トライアルでは、メーカーや小売などと連携して、マーケティングへの活用を目指す。
AIカメラを設置する高さは値札と合わせている。棚の真ん中につけた棚が向かいの棚を撮影することで、商品が何個あるかを識別している。
トライアル最大のスマートストアに
なお、同店舗には、電子プライスカードを7,000枚、レジカートを200台、サイネージを210台導入する。
また、「リテールAIカメラ」は、トライアル以外の小売りへの展開も見据えている。価格は現状1万円強だというが、大量生産することで、さらなるコストダウンが図れると、同社取締役 CTO 松下 伸行氏は意気込む。まずは福岡、佐賀の店舗から設置をスタートするが、グループのすべての店舗、トライアル以外の小売店舗での展開を目指す。また、今年中には3万台の生産を見込んでいる。