2020年9月22日8:00
トライアルホールディングス(トライアル)と福岡県宮若市は、2020年9月18日に記者説明会を開催し、リテールAI技術開発拠点「リモートワークタウン ムスブ宮若」の開設等の連携協定を締結した。「リモートワークタウン ムスブ宮若」は、トライアルと宮若市が協力してスタートする街づくりプロジェクト。校舎やショッピングセンターの跡地を再活用して、 AI 開発拠点設置やスーパーセンター出店、ファッションビレッジの開設などを予定している。
市民・行政・民間事業者が協働
AI開発拠点、スーパーセンター、ファッションビレッジ等が宮若に
「リモートワークタウン ムスブ宮若」は、国内で初めて市民・行政・民間事業者が協働して開設するリテールAI 開発拠点となる。同拠点は、2021年5月末頃の竣工を目指しており、旧宮田西中学校および旧吉川小学校を改装する。トライアルホールディングスでは、2年前にIoTソリューションを活用し、新たな買い物体験を提供するRetail AIを設立。店舗のデジタルトランスフォーメーションを進めている。AI技術開発拠点は、Retail AIに所属している技術開発者を中心に、トライアルのリテールAI研究を行う。
また、ローカル 5G 等を活用した次世代の新しい購買体験の提供を目指すファッションビレッジを開設。旧笠松小学校を改装して、2021年5月末頃の竣工を目指している。
トライアル店舗では、店内に設置したAIカメラやセルフレジ機能を搭載したスマートショッピングカートによる次世代型店舗のスーパーマーケット「スーパーセンタートライアル宮若店(仮称)」を出店。同店舗は、宮田ショッピングセンターの跡地を活用し、2021年9月中旬の竣工を目指すという。
さらに、宮若市との共同運営店舗で、市内で栽培された農林畜産物や農産加工品の直売所を有する「ドリームホープ若宮」を旧吉川小学校のグラウンドに移設する(2022年3月竣工予定)。
そのほか、トライアル従業員寮、宿泊施設を備えたレストランであるオーベルージュや温泉旅館が一体となった複合型宿泊施設、ドリームホープ若宮とレストランの複合業態である農家レストラン「グロッサリア」も計画している。
地方創生拠点整備交付金を活用
次世代の技術を活用して人が集う場所を目指す
宮若市 市長 有吉哲信氏によると、官民共同の地方創生事業として、地方創生拠点整備交付金を内閣府に申請したが、全国的にも同様の事例はなく、満額の交付金が採択されたという。宮若市の議会の期待も高く、トライアルと宮若市の両社が手を結び、同プロジェクトが新たなワークスタイルとなるように、取り組んでいきたいとした。
トライアルホールディングス 代表取締役 亀田 晃一氏によると、元来、AI技術開発拠点は東京での開設を予定していた。しかし、コロナ禍の中、人が集中する東京に設ける必然性があるのかと考え、福岡や小倉からのアクセスも便利な宮若市に施設を設けることとなった。
近年、米国や中国で巨大な企業が出てきているが、日本にはセンシング技術、カメラ、ロボット、モビリティ等の技術で強みをもった企業があるという。今後はそういった企業とも協力して、次世代の技術を開発し、人が集う場所にしていきたいとした。