2019年4月22日7:00
「Accenture Technology Vision 2019」を発表
アクセンチュアは、 2019年4月18日に記者説明会を開催し、世界のテクノロジートレンドに関する最新の調査レポート「Accenture Technology Vision 2019(アクセンチュア・テクノロジー・ビジョン2019」のトレンドを発表した。
分散型台帳、人工知能、拡張現実、量子コンピューティングの4つのテクノロジー
「Accenture Technology Vision 2019」による最新テクノロジートレンドは、アクセンチュア テクノロジー コンサルティング本部 インテリジェントソフトウェアエンジニアリングサービス グループ統括 マネジング・ディレクター 山根圭輔氏が紹介した。
平成はポストデジタルの世界だったが、「令和」では、「SMAC(スマック)」(ソーシャル、モバイル、アナリティクス、クラウド)がベースになり、そのうえで「DARQ(ダーク)」が企業の競争優位につながるとした。
DARQとは、distributed ledgers(分散型台帳技術、ブロックチェーン)、artificial intelligence(人工知能)、extended reality(拡張/強化現実)、quantum computing(量子コンピューティング)の4つのテクノロジーからとったものだ。
たとえば、欧州税関では、ブロックチェーン技術を用いて、入力に必要なデータを最大80%削減している。また、ばらばらだったシステム連携の再整備を促進させた。Adobeでも、クラウドサービスでAIによる自動画像補正を実現させている。Epic Gamesでは、VRゲーム上で1,000万人規模の、リアルでは考えられないような大型DJイベントを視聴できる取り組みを行っている。デンソー(DENSO)では、D-Waveと連携し、量子アニーリングを活用して、渋滞都市バンコクでの交通量最適化の実証実験を行っている。
「『私』を理解せよ(Get to Know Me)」では、企業はテクノロジーによって裏付けられた一人ひとり固有の消費者像(テクノロジーアイデンティティ)を捉えることが可能になってきている。たとえば、掃除機のルンバ、クレジットスコアを判定する「Slice Pay」、注文チャネルを多様化させて50%をデジタル化・売上12%を達成させた「ドミノ・ピザ」などのように、テクノロジーアイデンティティの獲得で、企業は消費者をより理解したサービス・製品の提供を実現させている。
「『ヒューマン+』としての労働者(Human+ Worker)」では、さまざまなスキルや知識に加え、テクノロジーによってもたらされる新たな能力を身につけることで、労働者一人ひとりがより大きな力を発揮できるようになっている。すでにユニリーバでは、面談においてAIを活用している。また、日本航空では、グランドスタッフがお客様から質問を受けた際、耳につけたマイクが情報を拾い、AIで言語分析をした上で適切な情報をタブレットで自動で出力させている。
「自身を守るために全体を守る(Secure Us to Secure Me)」では、大手企業において、エコシステム全体と協働して優れた製品やサービス、体験を提供する取り組みの中で、セキュリティも担保する重要性を理解しなければならないとした。企業の全体を守る意識は高いものの、実態は追いついていないそうだ。
「マイマーケット(MyMarkets):顧客ニーズに『今』応える」では、 カスタマイズされたサービスを、オンデマンドで提供するためには、「デジタルツインでのマッチング」と「自動化」が必要不可欠であるとした。例えば、Paper Boatでは、ソーシャルメディアなどののチャネルでの顧客の声、期間限定イベントなどでの販売実績から、顧客の思考データを収集し、それを分析したうえで、顧客が欲しいレシピを、欲しいタイミングで提供している。
山根氏は、ポストデジタル化時代は、個別のストーリーに振り回されるのではなく、企業として差別化するためのオリジナルなストーリーをつくることが大切であるとした。