2010年11月02日8:35
「注目のペイメントビジネス」~髙島屋(2)
お気に入りの写真に贈る言葉を添えて
オリジナルの一枚を作成
【ミリオン】ローズタイプの設定金額は500円から10万円まで、500円単位で選ぶことができ、一番の売れ筋となっている。
アクセサリー、化粧品、ネクタイ、シャツ、紳士靴など、贈りたい商品がイラストになったのが【アイテム】タイプだ。設定金額は5,000円から設定できる。
「例えばシャツなどは、オーソドックスなものからカジュアルなものまでお好みやサイズがわからないケースが考えられます。その悩みに【アイテム】タイプのカードならば対応できます」(片岡氏)
さらに、ファミリアやミキハウスなど、店舗のロゴがデザインされたカードやステーショナリーや玩具を贈りたいときに利用できるカードも用意している。設定金額は3,000円から選択可能だ。
そして、同社が力を入れるのが【オーダー】タイプ、【メッセージ】タイプだ。【オーダー】タイプはお気に入りの写真にメッセージを自由に添えて、プレゼントできるカードである。フレームも3種類から選択可能だ。【メッセージ】タイプには、「結婚用」「誕生日用」「おめでとう用」「バラ」「おこさま用」「グラデーションデザイン」の23種類のデザインがあり、500円から入金が行える。また券面には自由にメッセージを添えることも可能だ。両カードを発行する場合、1枚105円の手数料がかかるが、「他社が手掛けるカードよりも安価となっています」と片岡氏は説明する。なお、同社の大型店にはカードプリンタが導入され、店頭での即時発行に対応している。
現状の売れ筋は3,000円、5,000円、1万円の3種類。個人だけではなく、例えば500円を入金したカードを大量に購入し、配布するなど、法人の利用も多いという。また、髙島屋自身でも積極的に同カードを利用したキャンペーンを行っている。
季節ごとにプロモーションを実施
百貨店内のさまざまな売場で販売
「主要プロモーションであるお中元、お歳暮との連動や、クリスマスのカタログと組み合わせた取り組みを行っています。ギフトカードの販売のみならず店舗の売上アップにもつながり一石二鳥です」(片岡氏)
同社では専用の什器を用意して、色とりどりにギフトカードを並べることにより、顧客にアピールしている。売り場も紙の商品券の場合は専用のカウンターでしか販売できなかったが、同カードならばテナントなど、百貨店内の各所で販売できる。
なお、同社では全国の百貨店で共通利用できる百貨店ギフトカードの販売も行っているが、「百貨店ギフトカードを購入される方は近隣に髙島屋がない方が多いため、競合することはありません」と片岡氏は説明する。
なお、同カードのASPシステムは凸版印刷と富士通エフ・アイ・ピーの「ギフトカードASPシステム」を利用している。百貨店ギフトカードも両社のシステムを利用しているため、1システムで運用を行っている。また、友の会のカードも同システムを利用している。
ランニングコストはそれほどかからないため、すでに事業の採算性としては十分に確保できているというが、同社では「まだまだ売上は伸びる」と考えており、販売を強化していく方針だ。