2019年9月13日8:00
ビザ・ワールドワイド・ジャパン(Visa)は、発行金融機関各社様からの報告をもとに、2019年6月末時点で「Visaデビットカード」および「Visaのタッチ決済」対応カードの発行枚数がともに1,000万枚を突破したと発表した。9月12日には、東急プラザ銀座 キリコラウンジで達成記念イベントを開催した。
イベントでは、ビザ・ワールドワイド・ジャパン 代表取締役社長のスティーブン・カーピン氏が登壇し、日本におけるVisaの取り組みについて紹介した。
日本でもキャッシュレス化が注目を集めているが、政府発表のキャッシュレス化比率は20%強にとどまっている。その理由として、カービン氏は、日本では現金志向が強いこと、多様な決済手段が乱立していることを挙げた。政府は2025年までにキャッシュレス化比率40%を目指している。また、訪日外国人旅行者も2020年に4,000万人、2030年に6,000万人を目指しており、世界標準の支払い手段が重要となるとした。Visaでは、金融機関と手を携えて、VisaデビットやVisaのタッチ決済などを推進しており、日本でも最大規模のネットワークを誇っている。
現在、商取引はオンラインが成長しているが、多くの支払いは対面で行われている。この環境もデジタル化により、さらに良くなるとした。セキュリティ、スピードに加え、シンプルな決済が大切になる。中でもVisaにとってセキュリティは重要で、その信頼によりビジネスを拡大させてきた。また、現金では16秒の時間が必要だが、タッチ決済では8秒で支払いを完了させることが可能だ。
Visaの国内における発行枚数は1億5,000万枚を超えたが、Visaのタッチ決済は、2013年より日本において対応カードが発行開始され、発行枚数は、ここ過去6か月間で2倍になった。また、決済端末の導入も4倍に成長。加盟店もイオン、ローソン、マクドナルド、ゼンショー、Japan Taxiなど、順次拡大している。
現在、Visaの世界の取引のうち、半数がタッチ決済だという。オーストラリアでは対面取引の92%がタッチ決済で、英国でも同様に高い数値を誇る。VisaではQRコードのサービスも提供しているが、「よりタッチ決済へ踏み出しています」とカービン氏は話す。
また、Visaデビットは、日本で2006年にサービスを開始。現在29行の金融機関から発行されており、日本における発行枚数はここ2年間で約2倍に成長しているそうだ。
イオングループ、三井住友カード、スクエア、三菱UFJ銀行
国内でのタッチ決済やデビットの推進状況は?
当日は、イオンフィナンシャル、三井住友カード、スクエア、三菱UFJ銀行の担当者が登壇した。
国内各社の取り組みとして、イオングループでは、レジ台数の10万台をタッチ決済に対応させる予定だ。また、イオンカードも2019年8月時点で累計300万枚がタッチ決済を搭載しており、2020年3月には累計500万枚、2021年には累計1,000万枚の対応を予定している。
三井住友カードでは、イシュアとして、2017年7月からデビット、2019年3月から順次クレジットカードへのタッチ決済の標準搭載を開始している。現在、300万枚にタッチ決済の機能が搭載されているが、2020年7月までに1,000万枚の搭載を目指している。また、アクワイアラとしてもマクドナルドなどに導入を行ってきたが、2020年7月までにさらに利用店舗を拡大させていきたいとした。
Squareは、2019年3月26日に、クレジットカード読取機「Square Reader(スクエアリーダー)」の新モデルを発売しており、三井住友カードと連携して、導入を進めている。新しい「Square Reader」は、タッチ決済と、日本で主流のFeliCaに対応しているのが特徴だ。
三菱UFJ銀行では、Visaデビットの推進を開始して6年になる。開始当時は、消費者の利便性向上、使いすぎないという日本人のメンタリティに合った形でサービスをリリースした。カード形状だけでなく、異形状のサービスも展開しており、腕時計のGarmin Payに加え、モバイルを活用した「MUFG Wallet」でもタッチ決済が利用可能になる予定だ。