2020年1月29日7:30
日本オラクルは、2020年1月27、クレアンスメアードが、同社がサービスとして提供しているポイント管理・顧客管理システムにおいて、「Oracle Autonomous Data Warehouse」と「Oracle Cloud Infrastructure」を導入したと発表した。
クレアンスメアードが提供するポイント管理・顧客管理システムは、商品購入時などにおける顧客へのポイントの付与、購買履歴を含めた顧客情報のCRMによる管理などの機能を持つほか、実店舗のPOSやECサイトの購買情報の取得、さらにはスマートフォンアプリとの連携にも対応したサービスだ。すでに流通小売、サービス業を中心とする企業で採用されており、顧客管理や購買活動の分析、さらには実店舗、EC、Webアプリなど複数の顧客接点を統合するオムニチャネル戦略の基盤や複数ブランドをまたぐAPIの管理統合などのニーズに対応しているという。
同ポイント管理・顧客管理システムに蓄積されたデータは、CRMで汎用的に利用される150種類の分析パターンを備える顧客分析システムで分析を行うことが可能だったが、顧客企業の幅広い分析ニーズに応えることに対してクレアンスメアードに大きな負担が生じていた。このような背景から、クレアンスメアードがデータウェアハウスを構築して顧客の各種データを蓄積、その上で顧客が自由に分析できる環境を整えることが検討されや。そのデータウェアハウス基盤として「Oracle Autonomous Data Warehouse」が採用された。
「Oracle Autonomous Data Warehouse」は、高速かつ柔軟なデータウェアハウス環境を容易に構築することができるクラウド・サービスであり、機械学習を用いてインデックス処理やキャッシングを自動的に最適化する仕組みを備えているほか、同種の他社クラウド・サービスと比較して、低コストでありながら数倍のスピードでデータ処理が可能なパフォーマンスを備えているとしている。
「Oracle Autonomous Data Warehouse」に接続する自由度の高い分析ツールとして、クレアンスメアードでは「Oracle Analytics Cloud」の提供を開始している。「Oracle Analytics Cloud」は「Oracle Autonomous Data Warehouse」との接続をサポートし、データベースの性能を最大限に享受できるそうだ。また、分析担当者に最適なチャートを推奨したり、担当者自ら、分析データをフロー形式で準備、加工したりすることも可能だ。
さらにクレアンスメアードでは、データの収集などを行うための仮想マシンとして、「Oracle Cloud Infrastructure」も採用している。同様の用途でこれまで複数のIaaSが利用されてきたが、パフォーマンスや安定性、ストレージのデータ量の制限といった点で課題があった。そこで同社は複数のIaaSを比較検討した結果、「Oracle Cloud Infrastructure」を採用した。
採用の理由として、「Oracle Cloud Infrastructure」であれば大量のデータを扱えることに加え、他社のIaaSと比較した検証の結果、ストレージのI/O性能が高いことが判明。また、大容量のメモリを搭載しても、他社IaaSと比べてコストが抑えられることもメリットとして挙げている。特にコストに関しては、同様の環境を他社のIaaSで構築したときよりも30~40%程度低コストだったとしている。
今後クレアンスメアードでは、既存環境からオラクルのクラウド・サービスへの移行を進めることが予定されているほか、「Oracle Autonomous Data Warehouse」のさらなる活用、そしてDMP(データマネジメントプラットフォーム)の構築とそれを利用したマーケティングオートメーションのためのサービス提供が検討されている。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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