2010年11月18日8:10
非接触IC決済事業者に聞く~ビットワレット「Edy」(2)
「Edyクーポンキャンペーン」をスタート
クーポンはモバイルEdyで購入
10月25日からはWebを利用した新たなサービスとして「Edyクーポンキャンペーン」をスタート。今回はトライアルで東京、愛知、福岡の3都県でスタートし、利用者は「ニックネーム」「携帯のメールアドレス」の入力を行うとクーポンを購入できる。購入代金はおサイフケータイを利用し、携帯電話のメールを介してEdyアプリ上で支払う(モバイルEdy)。なお、クーポンの価格は企業側が設定する仕組みだ。
「モバイルのユーザーをリアル店舗に送客させる取り組みです。おサイフケータイでの事前決済となるため、店舗側も採算を計算できるメリットがあります。最近は数多くのクーポンサイトがありますが、全国24万箇所以上もの加盟店を持っていて、認知度も高いEdyのクーポンサイトのため、店舗にとってもユーザーにとっても安心感のあるクーポンサイトとなっています」(清水氏)
外部とのアライアンスでは、2003年の全日空「ANAマイレージクラブ」との連携、2008年以降は楽天やCCC(Tポイント)、ヨドバシカメラ、ヤマダ電機など、各社のポイントが貯まるサービス「Edyでポイント」を展開。現在では全9社のポイントサービスと提携している。
特に「Edyでポイント」は、ユーザーがおサイフケータイ上から提携ポイントを1つ選び、おサイフケータイのEdyで支払うと、選択したポイントが貯められる。全国のEdy加盟店で利用すれば自動的にポイントが貯まるお得なサービスだ。今後もユーザーの利便性向上につながるポイントがあれば、前向きに「Edyでポイント」の提携先を検討していく。
国際担当を5月に設置
通年度の黒字が目標
今後は会員のID、メールマガジン、ポイントサイトなどで登録されたユーザーIDも使ったコミュニケーション強化など、情報資産の活用も検討していきたいとしている。また、海外展開の可能性も検討しており、国際担当を5月の組織改正に合わせて設置した。
Edyのような汎用型電子マネーは、低単価決済の手数料収益がベースとなることから、収益確保への道は決して平坦ではない。ビットワレットも電子マネーの黎明期にあって、創業以来、9年連続で厳しい経営を続けてきたことから、「通年度の黒字」を目標として挙げている。今年に入り単月での黒字も計上するなど明るい兆しも見えてきているが、「まだまだ赤字が続いているので、通年度の黒字を出していきたい。そこを超えないと1兆円の売り上げを目指しますといっても信憑性がありません。いずれにしろここ1~2年が勝負だと思っています」と清水氏は力強く語ってくれた。