2011年1月12日8:20
非接触IC決済事業者に聞く~西日本鉄道「nimoca」(2)
数多くの事業者と提携し、カード利用者を増やす
「nimoca一体型学生証」も開始
同社ではnimocaの利用者を増やすため、今後も多くの事業者と提携を行う方針だ。例えばプロサッカーチームのアビスパ福岡ではアビスパ福岡のオフィシャルファンクラブ「AVIGO(アビーゴ)」とnimocaの機能を一体化したカード「AVISPA-nimoca」を2009年から発行している。また福岡銀行と共同発行するアレコレnimocaは、同行のクレジット一体型キャッシュカード「アレコレカード」と、nimocaの機能を併せもつカードで、キャッシュカード、クレジットカード、ローンカード、IC乗車券、電子マネー、ポイントカードの機能が一体となった多機能カードとなっている。
ニモカでは学校法人福岡女学院と富士ゼロックス福岡と連携し、2011年春から福岡女学院大学の学生証にnimocaの機能を搭載する。「nimoca一体型学生証」は、nimocaとしてICカード乗車券および電子マネー機能を持つとともに、福岡女学院大学で今後導入を検討する図書館利用をはじめ、キャンパス内のさまざまなシステムのIDカードとしても活用できる。福岡女学院大学ではnimoca一体型の教職員証についても、導入を検討するという。
「nimoca一体型学生証を発行することで、キャンパス内の飲料自販機や売店、カフェなどへのnimoca電子マネーを導入することが可能となります。他の大学にもnimoca一体型カードの導入を勧めていきます」(飯田氏)
他の鉄道事業者との相互利用を開始前から意識
加盟店に対し電子マネーの利用データを提供
なお、FeliCa対応携帯電話への対応は行っていないが、「Suicaとの相互利用が行われていますので携帯電話を利用したい方にはそちらをお勧めしています」と飯田氏は説明する。
nimocaは現在、JR東日本のSuica、JR九州のSUGOCA、福岡市交通局の「はやかけん」との相互利用を行っている。同社ではnimocaのサービス開始以前から他の鉄道事業者との相互利用を念頭に置いていた。相互利用によりnimocaのカバーエリアが広がり、利用者の利便性のさらなる向上につながるからだ。また、nimoca以外のカードホルダーも西鉄を利用する際に便利になる。
「例えばJR九州さんは加盟店開拓という意味ではライバルかもしれませんが、利用者の方にとってはnimoca1枚で九州地方の鉄道やバスに乗ることが可能になるため、利便性が向上します」(飯田氏)
西鉄ではすでに電子マネー加盟店や鉄道時事業者等に対し、カードの利用データなどを提供し、マーケティングに役立ててもらうための取り組みも行っているという。同社では今後も提携先と連携したカードの発行やバス・鉄道の導入事業者を開拓することで、電子マネーの加盟店開拓を広げていく方針だ。