2020年5月19日9:34
静岡県西伊豆町とトラストバンクは、2020年5月18日より、西伊豆町が実施する、新型コロナウイルス感染拡大に伴う町内事業者への経済的支援対策として、全町民を対象に町内の店舗で利用できる地域通貨1万円分の配布を開始した。同取り組みでは、トラストバンクが開発する自治体向け地域通貨運用プラットフォームサービス「chiica(チーカ)」を活用する。
西伊豆町は4月17日、新型コロナウイルス感染拡大防止対策による町内事業者への営業自粛要請や県境をまたいだ移動自粛要請により観光客が激減したことで、町内の飲食店や宿泊施設などの売り上げが大幅に減少していることを受け、町内取扱店に限定して利用できる地域通貨の流通を通して町内経済の活性化を図るため、全町民に向け西伊豆町の地域通貨「サンセットコイン」1万円分を配布する「西伊豆町サンセットコイン事業」を発表した。5月18日より、全町民を対象に「サンセットコイン」10,000ユーヒの配布を開始すると共に、町民は町内のサンセットコイン取扱店において、サンセットコインを利用することが可能だ。
サンセットコインの受け取り方法については、全町民に10,000ユーヒがチャージされたカードが郵送で届く。サンセットコイン利用時は、取扱店において利用者がカードを提示し、店舗側がカードに記載されたQRコードを読み込むことで、決済が可能だ。支払い時サンセットコインの残高が足りなかった場合は、サンセットコインと現金を併用することもできる。
同事業におけるサンセットコインの発行、管理に「chiica」を利用することで、従来の紙のプレミアム商品券による経済対策と比べ、リアルタイムな地域通貨の利用状況の把握やデジタルで入金管理を行うことができるため、自治体職員および取扱店の事務処理が軽減されるそうだ。利用者はカードにサンセットコインを繰り返し1,000円単位でチャージすることができ、キャッシュレスで町内の取扱店での利用が可能になる。また、地域通貨を利用できる地域や期間を限定することが可能になり、法定通貨を使用する場合と比べて、通貨の域内循環が期待でき、経済活動の推進など発行元の目的に沿った活用ができるとしている。
西伊豆町とトラストバンクは、今後総務省によるマイナポイント事業との連携など西伊豆町独自の地域通貨である「サンセットコイン」を通じて、事業者の経済的な支援に加えて、町民の健康促進や観光事業の推進などを積極的に展開していくという。
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ペイメントナビ編集部
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