2010年11月30日8:00
「注目のペイメントビジネス」~クレディセゾン(1)
ブランドプリペイドのサービスを他社に先駆けて展開
流通企業との太いパイプを武器に3年で1,000億円の売上を目指す
クレディセゾンは、ビザ・ワールドワイド(Visa)と共同で、日本初となる国内で利用可能なプリペイドカードの発行を開始した。プリペイド発行の第一弾として、ユニクロが運営するインターネット通販サイト「ユニクロ・ジーユーオンラインストア」で利用できるハウスギフトカード 「ユニクロオンラインギフトカード」を8月24日から発行している。同社にブランドプリペイド発行の経緯と今後の展開について説明してもらった。
新たな決済ソリューションとして着目
ユニクロとの提携からスタート
「入会審査や与信枠が必要ないプリペイドカードは、クレジットでは取り込めない顧客をカバーすることが可能です。割賦販売法改定などの影響もあり、さまざまな制約が設けられる中、主婦や学生の方々に充分なクレジット利用可能枠をご提供できなくなる可能性があります。また、高齢化社会が進展すると現役でバリバリやっていた人がストックを切り崩す生活にシフトしていきます。そのため、これらの方に今後も引き続きキャッシュレスのメリットを享受いただける決済ソリューションが必須であると考え、ブランドプリペイドに着目しました」(クレディセゾン カード事業部 事業企画室 開発企画課長 吉中 慎氏)
従来、カード会社はクレジットカードを中心にビジネスを展開してきたが、ここ数年は法改正などの影響もあり、かつての勢いでの成長は難しくなってきた。クレディセゾンでは、今後も決済事業で成長していくためには、クレジット以外の機能の充実が必要であると考えている。
日本は米国に比べて現金を利用する文化が多く残っており、民間の消費支出に非現金が占める割合は米国に遠く及ばない。また、米国ではプリペイドが爆発的な伸びを示しており、給付金の支払いなど、幅広い利用が行われている。日本においても規制面の流れや顧客の利便性向上などを考えるとプリペイドは今後普及が拡大するというのが同社の見方だ。
「カード会社からみて、利用場所や顧客単価、販売ターゲットなどに応じた商品企画の自由度の高さがプリペイドのメリットであると考えています。ユニクロさんと提携した『ユニクロオンラインギフトカード』は、弊社の『Netアンサー』会員限定商品となり、セゾンカードによる決済もしくはセゾンカードのポイントサービスである『永久不滅ポイント』での交換となっていますが、各クライアントニーズに基づいて、チャージの方法や利用範囲を自由に設定することが可能です」(吉中氏)