ショールーミングへの対抗策~米国小売にみるオムニチャネル戦略

2014年1月31日8:48

ショールーミングへの対抗策
☆☆☆ 米国小売にみるオムニチャネル戦略 ☆☆☆
Omnichannel Strategy against Showrooming

日本カードビジネス研究会 代表 佐藤 元則

●ショールーミングで2.2兆円が減少する

Omnichannel Strategy against Showrooming
Omnichannel Strategy against Showrooming

ショッピングシーンで消費者のスマートフォン利用が増えている。一番多いのが、価格比較だ。店舗で実際の商品をみて、オンラインで価格を比較、最も安いところでオンライン購入する。リアルの店舗は単なるショールームとしての機能しかはたさない。実店舗は商品をおいていても実売につながらないという課題に直面している。

米国小売業界では、この消費者のモバイル行動を「ショールーミング」というキーワードで、危機感を募らせている。米国調査会社コムスコアの試算では、ショールーミングによって、実店舗の売上が2,170億ドル(約2.2兆円)減少すると予測している。米国小売の年間総売上高は約4兆ドルだから、オンラインショップへの移行は5%強にもなる。

米国人でスマートフォンに限らずモバイルでショールーミングしている人は、3人に1人(35%)いるという。ショールーミングをしている人の60%は、もともと実店舗で購入しようと思っていた人たちである。なぜ、オンラインに切換えたのか。

ncb2オンラインのほうが安いからと回答した人は74%で最も多かった。店舗に在庫がなかったからという人は25%。宅配のほうが便利と回答した人は19%だった。
ショールーミングの影響を受けている業種はなにか。最も大きな影響を受けているのが家電で、ショールーミングの63%を占めている。ついでアパレル・アクセサリーが43%、書籍が29%、家具と玩具が同率で22%、時計と貴金属が16%となっている。

リテール業界がこぞって取組もうとしているオムニチャネル戦略は、このショールーミングに対抗するためである。米国大手流通はショッピング行動の激変にどのように対応しているのか。米国リテールのオムニチャネル戦略についてレポートしよう。

■続きはNCBレポート2014年2月号で
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