2014年4月1日17:16
ベライゾンジャパンは、2014年4月1日、2014年度版PCIコンプライアンス調査報告書を発表した(報告書)。
同報告書では、年に一度、カード決済を採用する企業を対象に実施されているペイメントカードのセキュリティ基準である「PCI DSS」への準拠に対するアセスメントを受けた大半の企業が、その後同コンプライアンスの遵守を継続していないことが報告されているという。また同報告書では、同基準への非遵守が、ビジネスにおけるデータ漏洩、金銭的損害、および企業の評判の失墜といったリスク増大を招いていることが示唆されているそうだ。
同報告書によると、ペイメントカードのデータ漏洩は、セキュリティ技術の障害またはPCI DSSへの非準拠が原因ではなく、多くの場合適切なコンプライアンス・セキュリティ対策が実装されていないことにより発生しているという。
その一方で、同報告書では、企業・組織のPCI基準に対する初期のコンプライアンス状況において、一定の改善が見られるという明るい材料が報告されている。2013年、82%以上の企業・組織は、年1回実施しているベースライン評価時において、PCI基準の少なくとも80%に準拠している。2012年の32%と比較すると、当該企業・組織の同基準への準拠に対する対応に改善があったことを示しているそうだ。
また、漏洩通知に関する法令や、さまざまな法的要件や導入レベルによって地域格差が存在。PCI要件の少なくとも80%に準拠している割合は、アジア太平洋地域が75%とトップに立ち、次いで米国が56%、ヨーロッパが31%と続く結果となった。企業が初期コンプライアンスへの準拠を達成する過程において最も苦労する点として、セキュリティテスト(23.8%)、セキュリティ監視およびデータ流出を効率よく検出・対処する能力(17%)、そして保存された機密データの保護(55.6%)が挙げられている。