2020年11月11日20:15
JR東日本、JR東日本メカトロニクス(JREM)、一般社団法人ICTまちづくり共通プラットフォーム推進機構(TOPIC)は、マイナンバーカードの公的個人認証サービスを活用し、交通系ICカード一枚を携行するだけでマイナンバーカード所有者向けの特典を受けられるサービスを開始すると発表した。
Suicaなど交通系ICカードのID番号とマイナンバーカードの情報をあらかじめ紐づけておけば、マイナンバーカードの代わりに交通系ICカードを専用の端末にタッチするだけで、居住地や生年月に応じたマイナンバーカード所有者向けの特典を受けることが可能となる。マイナンバーカード所有者向けの特典を受ける時に、マイナンバーカードを改めて提示する必要がないという。
また、利用者のマイナンバーカードの公的個人データ取得については、TOPICが提供する認証サービスを活用する。TOPICは同認証サービスの提供にあたり、マイナンバーカードの公的個人認証機能を扱う民間事業者として第1号の総務大臣認定を受けている。公的個人認証によるデータの取得には、必ず利用者自らがスマートフォンでマイナンバーカードをタッチし、暗証番号を入力することでマイナンバーカードに格納された電子証明書を検証するなど(所有と記憶による2要素認証)、セキュアな仕組みを構築している。
また、紐づけるデータは、交通系ICカードはID番号のみとなり、公的個人データは居住地(都道府県と市区町村まで)と生年月とし、個人を特定できない形にする。そのデータを JREMのクラウド型ID認証システム「ID-PORT」に保存する。
第一弾として、同サービスを国土交通省の「令和2年度日本版 MaaS 推進・支援事業」に採択された「前橋版 MaaS」において2020年12下旬より提供する。「前橋版 MaaS」への会員登録時、手持ちの交通系ICカードとマイナンバーカードを紐づけておけば、マイナンバーカードを所有する前橋市民向けの特典を受けることができる。具体的には、交通系ICカードを一枚持つだけで、デマンド交通などをおトクに利用できる移動サービスを予定している。
同サービスは、マイナンバーカードを持ち歩くことなく、例えばSuica一枚を携行するだけでマイナンバーカード所有者向けの特典を受けられるようになるため、各自治体でのマイナンバーカード取得率向上に貢献できるとしている。また同サービスは、「前橋版MaaS」のような居住地で判定する地域住民向け特典に加え、例えば、敬老パスのような生年月で判定する高齢者の方向け割引サービスへの利用も可能だ。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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