2021年3月25日8:10
キャッシュレス決済比率は約30%に、コード決済が伸長
2019年7月にサービス提供を開始したファミリーマートの決済機能付きスマホアプリ「ファミペイ」が、700万ダウンロードを達成した。「ファミペイ」ではユーザーにお得なクーポンを配信するほか、スマホ決済機能「FamiPay(ファミペイ)」による支払いや残高チャージに対し、決済金額に応じて独自ポイント「FamiPayボーナス」を付与する。2021年夏以降は、FamiPayの残高不足時にも後払いで利用できる「FamiPay翌月払い」と、さらに借入れを希望する人を対象とした「FamiPayローン」を、関係当局への事業者登録を前提に、順次開始すると発表した。同アプリは個別の情報発信にも活用。ユーザーとのコミュニケーション活性化に役立てていく。
ポイント、クーポンにも一度で対応
レジ対応時間が3分の1に短縮
ファミリーマートが2019年7月1日より提供を開始した、決済機能付きスマホアプリ「ファミペイ」のダウンロード数が700万を突破した。 “クーポン” “ポイント”“決済”が可能なオールインワンアプリをコンセプトとした「ファミペイ」には、スマホ決済機能「FamiPay」が搭載されている。店頭での現金入金、もしくはアプリに紐づけた銀行口座、クレジットカード「ファミマTカード」のいずれかによりあらかじめチャージした残高内で、アプリ上に掲示したバーコードをレジ端末に読み取らせるだけで瞬時に決済を完了できる。
「FamiPay」での決済には、200円につき1円相当のFamiPayボーナスが付与される。またファミリーマートではdポイント、楽天ポイント、Tポイントに対応しており、これらを「ファミペイ」に連携することにより、別途ポイントカードを提示しなくても、「ファミペイ」を提示するだけでポイントを獲得できる。さらに「ファミペイ」で配信されるクーポンの利用も、同時に適用することが可能だ。1回のスキャンでクーポン、ポイント、決済のすべてに対応できることから、現金決済と比較すると、レジ対応時間が約3分の1に短縮。ユーザーが決済の煩わしさから解放されるだけでなく、店舗にとっても業務効率化という意味でメリットが大きい。
「ファミペイ」が配信するクーポンには、登録ユーザーへの全配信クーポンと、購買履歴に応じたセグメントクーポンがあり、登録時期や購買状況によって異なるが、合わせると、ユーザーが受け取るクーポン数は、二桁になることも珍しくない。クーポンには、無料クーポンと割引クーポンがある。例えば、過去にアルコール飲料の購入履歴のあるユーザーに配信するアルコール飲料の新商品の無料クーポンなどでは、ほとんどのユーザーが引き換えているそう。
クーポンとは別に、おむすびやパンなど継続して購入される商品に付与される「スタンプ」というサービスもある。対象商品を購入したとき、自動的にスタンプが付き、一定数貯まると割引クーポンと交換できるなどの特典がある。スタンプの有効期間は半年程度と長く設定されているものもあり、継続的に来店しているユーザーに厚くメリットを提供し、より長い継続利用を促すための施策だ。
アプリで能動的な情報発信が可能に
早期の1,000万ダウンロードを目指す
「ファミペイ」アプリ登録時には性別、生年月日、郵便番号の入力を任意で求めているが、この集計結果と照らすと、「ファミペイ」ユーザーは店舗利用者の分布と同じく、30~50代男性が中心。来店頻度および購買金額は、ポイントカードのみを提示して購入するユーザーの2倍以上に上っている。
コンビニユーザーは、来店頻度は高いものの、店舗の平均滞在時間は5分未満とごく短い。同社では「ファミペイ」によって店内での決済速度を極力短縮する一方で、「ユーザーが店舗の外にいるときにも能動的に情報を発信し、つながりを深めるコミュニケーションツールとして活用していきたい」(ファミリーマート マーケティング本部 イノベーション&アライアンス推進部 部長 佐藤邦央氏)としている。
ファミリーマートにおけるキャッシュレス決済比率は約30%。特に都市部の駅前立地店などでは交通系電子マネーの利用が多く、これに「ファミペイ」を含むコード決済が追随している。
同社はこれまで、「ファミペイ」のダウンロードと会員登録で、無料クーポンやFamiPayボーナスを進呈するキャンペーンを実施。これを全国約1万6,700のファミリーマート店頭で告知して「ファミペイ」の認知度を高めると同時に、Apple Store、Google Storeといったアプリストアで検索連動型広告を含めた広告展開を行うことで、ユーザーの拡大を図ってきた。ダウンロード700万を記念して、2021年2月1日からの1カ月間は、100円以上の会計でスタンプが貯まり、スタンプ数に応じてFamiPayボーナスなどを進呈するキャンペーンやTVCMを放映。早期に1,000万ダウンロードを達成することが当面の目標だ。
※カード決済&リテールサービスの強化書2021より