2021年8月10日8:00
東急は、Connected Designの協力を得て、リニューアルオープンした東横線・学芸大学駅高架下の商業施設「学大市場」でトイレのIoT化ソリューションの実証実験を行っている。Connected Designが提供する時限鍵発行ソリューションを活用し、各店舗に設置した専用端末にかざしたICカードを鍵として使用する仕組みによって、トイレの利用を施設利用者に限定することを可能にした。
記事のポイント!
①Connected Designの時限鍵発行ソリューションを採用
②IoT活用でトイレを施設のポジティブな要素に
③FeliCaやTypeA/BのIDを鍵に
④駅近の鉄道高架下の施設でICカードとの親和性は高い
⑤使い勝手の良い仕組みを構築、スマホなどの操作は不要で利用可能に
⑥次の段階として他施設への導入を視野に
⑦両社でICカードの活用領域を広げる
⑧スタンプカードの機能も装備
IoTテクノロジーを商業施設に活用
FeliCaやタッチ決済のカードとモバイルが鍵に
東急が運営する東横線・学芸大学駅高架下の商業施設「学大市場」が、2021年7月1日にリニューアルオープン。以前はテイクアウトの物販店舗のみだった施設が、リニューアル後にはイートインスペースを設けた店舗が軒を連ねることになった。そこで浮上したのが、施設側で用意するトイレを、いかに清潔・快適に保つかという問題。そのためにまずはトイレの利用を、施設利用者に制限する必要があった。
そこで東急では、Connected Designが提供する時限鍵発行ソリューションを採用。1年間の予定でトイレのIoT化ソリューションの実証実験を実施している。「いつ来てもきれいな環境を提供することで、トイレを施設のポジティブな要素にしたいと考えました。いくつか提案をいただき検討した結果、今回はこのソリューションでいこうと決めました」と東急 ビル運用事業部 事業推進グループ AM第二担当 主事 佐々木智綱氏は振り返る。
利用者が施設内各店舗に設置したNFCカードリーダ内蔵の専用端末に、手持ちの交通や流通系ICカード(モバイル含む)、タッチ決済対応のクレジットカード、ICカード機能付き社員証などをかざすと、30分間有効の鍵と予約情報が登録される。リーダーはFeliCaやISO/IEC 14443 TypeA/BのIDの読み取りが可能だ。そのカードをトイレの各扉に設置されているスマートロックにかざすと、扉が開くという仕組みだ。個室の利用状況を、店舗から確認することもできる。
カードをかざすオペレーションによって
お客様と店舗の負担を最小限に
Connected Designはこの時限鍵発行ソリューションを主に民泊事業者などに導入してきた実績があるが、交通系ICカードなどを活用した取り組みは今回が初めてだ。「まだ正式に商品としてリリースしているソリューションではありません。『学大市場』の場所をお借りしながら、日々、お客様にどうやってメリットをご提供できるかを検証しているところです」(Connected Design ビジネスプロモーションユニット ソリューションセールスグループ チーフ 刑部舞氏)。駅近の鉄道高架下の施設だけに、交通系ICカードとの相性は良い。
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