2011年2月16日7:50
「提携クレジットカード」の新潮流~JX日鉱日石エネルギー ENEOSカード
全国1万2,000箇所のENEOSで利用できる「ENEOSカード(C・P・S)」
顧客のライフスタイルにあわせて選べる3タイプのカードを発行
新日本石油とジャパンエナジーが経営統合して誕生したJX日鉱日石エネルギーでは、2010年10月よりトヨタファイナンスと提携し、全国1万2,000箇所の系列サービスステーション(SS)で利用できる3タイプの「ENEOSカード(C・P・S)」の発行を開始している。顧客のライフスタイルにあわせて選べる新しいENEOSカードについて話を聞いた。
ENEOSとJOMOの統合を機に
顧客のライフスタイルにあわせて選べる新カードを発行
JX日鉱日石エネルギーでは、これまで新日鉱ホールディングス傘下のジャパンエナジーでトヨタファイナンスと提携した「JOMOカードプラス」(累計47.4万枚)、「JOMOカードライト」(累計74.6万枚)を、新日本石油で三菱UFJニコスと提携した「ENEOSカード(ニコス)」(累計294.7万枚)を発行していたが、2010年7月にJX日鉱日石エネルギーが誕生・ENEOSブランドへ統一されることに伴い、新しいENEOSカードを発行することになった。
「これまで両社が発行していたカードに加え、お客様のニーズに沿ってライフスタイルにあわせて選べる3タイプのカードを発行することになりました(*)」(JX日鉱日石エネルギー小売販売本部 リテールサポートグループ 担当マネージャー 粕谷直樹氏)
なお、従来の「ENEOSカード(ニコス)」、「JOMOカードプラス」、「JOMOカードライト」については、有効期限まではそのまま継続利用が可能となっている。
*ENEOSカード(ニコス)は、2010年10月からの特典変更に伴い、旧特典のカードは発行を停止しています。JOMOカードは2010年9月末をもって新規発行を停止しています。
最大7円/LまでキャッシュバックするC、利用金額に応じて貯まるポイントが魅力のP
ガソリン・軽油がいつでも2円/L引きで年1回のカード利用で年会費が無料になるS
新カードは、毎月の利用金額に応じて、ガソリン・軽油代を最大7円/Lまでキャッシュバックする「ENEOSカード C(キャッシュバック)」(年会費初年度無料、次年度以降1,312円)、カードを使えば使うほどポイントが貯まり、ENEOSなら最大3%ポイント還元の「ENEOSカード P(ポイント)」(年会費初年度無料、次年度以降1,312円)、ガソリン・軽油代はいつでも2円/L引きでショッピングでポイントが貯まる「ENEOSカード S(スタンダード)」(年会費初年度無料、次年度以降1,312円、※年1回のカード利用があれば次年度年会費無料)の3タイプとなっている。
希望によってETCカード、モバイル決済推進協議会が推進するポストペイの「QUICPay」、家族カードを追加することが可能だ。さらにレッカー移動が10kmまで無料になり、路上における修理も30分以内は無料になるENEOSロードサービスも付帯している。
ENEOSカード Sは給油の利用が中心
ENEOSカードPとCは給油に加え、一般のショッピングでも利用
カードの募集はSS店頭と同社のWebサイトでの告知が中心だ。発行から約3カ月が経過したが、3タイプのカードの中で、主に給油の利用が中心の顧客は「ENEOSカードS」を、給油に加え一般のショッピングもカードで利用になるという顧客は「ENEOSカード P」、「ENEOSカード S」を選択している。
「『ENEOSカード C』と『ENEOSカードP』の会員は弊社Webサイトからお申込みされた方が多いです。ご自分のカード利用状況を考えながら最もお得になるカードを選択されています。両カードとも1,312円の年会費をいただきますが、年会費以上のお得感を受けられることもあり、高い利用率となっています」(JX日鉱日石エネルギー リテール販売部 リテールサポート部 アシスタントマネージャー 高橋尚吾氏)
「昨今はSS全体に占めるクレジットカードの利用率は伸びており、会員の増加による取引の増加を期待しています。例えば、ENEOSではこれまで1万箇所、JOMOでは3,000箇所でしか利用できませんでしたが、両社の統合により1万2,000箇所のENEOSでカードを利用できるようになるため、お客様の利便性がアップすることは間違いありません」(粕谷氏)
自動車関連と連動した高いサービスの提供が可能に
トヨタファイナンスの期待も高まる
カードを発行するトヨタファイナンスでも「ENEOSカード(C・P・S)」には期待しており、トヨタファイナンス 広報室長 谷山信氏も「トヨタグループのカード会社である弊社が『ENEOSカード(C・P・S)』を発行することにより、自動車関連と連動したサービスを提供することが可能になります」と意気込みを述べる。
すでに、トヨタとは、トヨタの販売店で自動車を購入したユーザーがENEOSでガソリンを給油すると特典が受けられるといった送客に関する取り組みを行っていることから、ENEOSカードにおいても両社の強みを活かしたサービスの展開に期待が高まる。
なお、非接触IC決済に関しては現在、1,700箇所のサービスステーションで利用することができ、今後も拡大の方針だ。また、現金カード会員に関してはカルチュア・コンビニエンス・クラブが運営する「Tポイント」の付与を実施しており、現金カード会員の囲い込みを図っている。