2022年5月30日8:30
10月からはポイントを外販し、共通ポイント№1を目指す
PayPayが2021年10月にキャッシュレス決済サービス「PayPay」の有料化を行ってから約8カ月が経過した。現在も決済取扱高や利用可能店舗の拡大は続いており、PayPayではさらなる成長を見据えている。同社では、「PayPayあと払い」の開始など消費者の利便性を向上させるとともに、加盟店の集客・売り上げアップに注力。2022年10月には、「PayPayポイント」の外販を開始し、業界№1の共通ポイントを目指す。
記事のポイント!
①登録者が4,700万、加盟店数366万カ所超
②Amazonなどオンライン加盟店の伸びが顕著に
③自治体とは310のキャンペーンの開催が決定
④今後はマネタイズ最大化と事業拡大・成長へ
⑤加盟店手数料有料化後も利用は好調
⑥今後は店舗への付加サービス強化を構想
⑦「PayPayポイント」の位置づけは業界2位?
⑧「PayPayあと払い」開始の成果は?
⑨運転免許証のICチップを利用した手続きを導入
⑩クレジットカードの不正利用の500分の1以下
⑪経産省・検討会委員に、IRF公開には好意的?
⑫今後も利用者、加盟店への投資を継続へ
全国でのプッシュ型営業が強み
店舗DX化のコンサルティングの役割を担う
国内のコード決済サービスをリードする存在となるPayPayは、サービス開始3年半で登録者数が累計4,700万人超、加盟店数が全国366万カ所超に達した。2021年度の決済取扱高は5.4兆円で前年比1.7倍、決済回数は36億回超で同1.8倍の伸びを示した。
近年は銀行において硬貨の預入手数料の有料化などもあり、店舗のキャッシュレス化に対する意識も高まっている。PayPayでは、知見や技術を生かしたプロダクト開発力が強みとなる。アプリのアップデートはほぼ毎週、年間で約50回行っている。
加盟店については、プル型に加え、プッシュ型の営業活動を実施。全国22拠点の千数百人規模の営業社員が営業活動をしており、現在は店舗のDX化を推進するコンサルティングの役割を担う。
リアルでは中小から大手まで加盟店網を構築しているが、コロナ禍でオンライン加盟店の増加が著しい。PayPayコーポレート統括本部 経営推進本部 コーポレートコミュニケーション部 伊東史博氏は「オンライン決済はヤフー(Yahoo!JAPAN)のサービスからスタートしましたが、(5月10日から)Amazonでも開始するなど利用は伸びています」と成果を述べる。また、請求書払いも堅調に利用が伸びている。
全国の自治体と店舗を応援する310のキャンペーン実施
個人間送金のシェアは87%に
自治体との連携では、地方創生臨時交付金などを活用した取り組みとなる「あなたのまちを応援プロジェクト」を実施。2022年3月時点で全国45都道府県において310のキャンペーンの開催が決定しており、複数回実施する自治体もある。
また、PayPayを送る・受け取ることができる個人間送金は0.84億回となり、スマホ決済における送金回数シェア87%を占める。同部 桑原迪氏は「24時間365日即時でのやり取りが可能なことに加え、手数料がかからないとご評価をいただいており、個人間の銀行振り込みがなくなる世の中を目指したいです」と意気込む。
PayPayではこれまで、ユーザー数、加盟店数、決済回数を伸ばすことに注力してきた。現在は、利用シーンや金融事業との連携拡大、およびマネタイズに向けた取り組みを強化している。今後は、マネタイズ最大化と事業拡大・成長を目指す。
加盟店手数料有料化の影響は軽微
今後は店舗への付加サービスを強化
2021年10月からは、年商10億円以下の加盟店、個人事業主の手数料を「PayPayマイストア ライトプラン」(月額1,980円/店舗(税別))に加盟すると1.6%、それ以外を1.98%に設定した。1.6%の手数料については、キャッシュレス業界の国内平均3.24%の半分以下となり、最低水準の料率であるとしている。2021年10月以降も決済回数や取扱高は伸長しており、手数料有料化による影響は極めて軽微となった。キャンペーンも定期的に実施しており、集客効果で一定の評価を受けている。
PayPayの有料化後も一部のコード決済事業者が無料化を行っているが、利用者が他社に流れるケースなどはあるのだろうか? 桑原氏は「決済に関連する施策はもちろん、店舗のDX化を推進すべくクーポンやスタンプも発行できるようにするなど、店舗経営をアシストする取り組みも強化しています。メリットをご評価いただいているからこそ、解約される店舗は少ないです」と話す。
なお、「PayPayマイストア ライトプラン」の加盟も徐々に伸びている。PayPay決済情報を加盟店が管理するツール「PayPay for Business」では、売り上げの状況などが確認できるが、今後はバイトのシフトを管理できる人事管理、福利厚生機能サービスなどの機能追加が構想されている。
10月から「PayPayポイント」の原資を外販
「PayPayあと払い」は100万人を突破
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