2022年6月13日9:10
静岡県東伊豆町は、訪れた人が“共感応援型”のふるさと納税を実現するため、ふるさと納税自動販売機をホテル銀水荘へ設置した。2022年6月10日には、ふるさと納税自動販売機を披露するとともに、デモンストレーションを実施した。
町中がふるさと納税の窓口となる体制構築へ
旅館の各部屋にQRコード設置も視野に
共感応援型のふるさと納税は、町商工会、町観光協会からの要望により実現したという。東伊豆町長 岩井茂樹氏は「共感応援型のふるさと納税は、町を訪れた方が魅力を感じ、応援をしたいという思いから寄付が行われます。当町の自然や文化に感動して、そのままふるさと納税につなげていただけます」と説明する。ホテル銀水荘へ設置した自動販売機を皮切りに、町中がふるさと納税の窓口となる体制を作っていく方針だ。
ふるさと納税自販機は全国で16機目の設置となるが、旅館への設置は東伊豆町が初となる。東伊豆町 総務課財政係 主任主事 横山潤氏によると、ゴルフ場、自販機コーナーなどへの設置事例はあるが、若手事業者の声によりスタートする事例は珍しいとした。
今後は、QRコードやタブレットを利用した現地型のふるさと納税の仕組みを提供する予定だ。現在、商工会と観光協会の協力を得て、他の宿泊施設、レジャー施設、飲食店に働きかけを行っている。タブレットやQRコードも含めて、町全体で面的に実施している事例はなく、全国初の試みだ。
岩井氏は「町全体がふるさと納税の窓口となり、直接応援していただき、直接感謝する循環が大切」だとしたうえで、「さまざまなことにチャレンジし、情報発信をしながら、ふるさと納税をしてよかったという町づくりを進めていきたい」と意気込みを見せた。今後は、旅館の各部屋に紙のQRコードを設置するといったことも考えている。
町全体でおもてなしのマインド発揮
「共感応援型」で5億の寄付を目指す
自動販売機を設置するホテル銀水荘の代表取締役社長 加藤晃太氏は、ホテルとしてはもちろん、「東伊豆町は町全体でおもてなしマインドを発揮できる。そういう場所で商売をしていることを、観光従事者として感謝しなければいけません」と話す。恵まれた環境の中で、風景、風土を楽しみ、東伊豆町の人々と触れ合いを通じて町を感じてもらいたいとした。自動販売機が同ホテルに設置されたことについては、「町の人々への恩返しの機会」だと捉えている。
ふるさと納税自販機の設置は、グローキーアップ(神奈川県藤沢市)の協力を得ている。当初は、ホテル銀水荘館内利用券、ホテル銀水荘ペア招待券、金目鯛の煮付、金目鯛の塩焼きなど9の返礼品から選択可能だ。自動販売機のコストは町が負担している。初期導入費341万円、リース料603万9,000円、搬入設置20万円、タブレット20万円(10台分)、その他2万円の986万9,000円を負担した。今後は、夏までに町宿泊券を取り扱う全旅館、11月までに希望する飲食店、土産物屋にタブレットやQRコードを設置し、町中の記念品を選べる体制を整えていく。
東伊豆町は、トラストバンクの「ふるさとチョイス」、楽天の「楽天ふるさと納税」、さとふるの「さとふる」といったふるさと納税ポータルサイトでふるさと納税が取り扱われている。トラストバンクでは、1ポイント1円単位で東伊豆町の店舗で利用できる「東伊豆町電子感謝券」もお礼の品としてラインナップされている。これまでの実績として、令和3年度で2億4,000万のふるさと納税での寄付額があるが、まずは現在の倍となる5億を目指す。
IoT自販機ではクレジットカードで決済可能
QRコードやNFC読み取り機能搭載
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