2022年8月3日8:30
ジャパネットホールディングスは2024年9月に長崎市で開業予定のスタジアムやアリーナ、商業施設などが入る大型複合施設「長崎スタジアムシティ」に、かねてより進めていた「長崎キャッシュレスプロジェクト」を本格導入する。高田旭人社長は2022年6月末に開いた発表会で7月の着工を報告し、施設の効率的な運営につなげるために完全キャッシュレス化を実現させると明言。すでに開発・活用している多機能決済端末などを通じ、長崎スタジアムシティを完全キャッシュレスの街にするとの構想を明かした。
通販研究所 渡辺友絵
記事のポイント!
①巨大な街づくりに挑戦
②総合複合施設としてさまざまな試み
③接客や運営もグループの社員やスタッフが担当
④2年前に長崎キャッシュレスプロジェクトを始動
⑤完全キャッシュレスで店舗運営
⑥データ分析を重視する通販企業の本領を発揮
⑦主要28種類の決済が可能に
⑧プリペイドカード専用端末機設置で現金利用者に対応
⑨多機能決済端末は他チームにも好評
⑩専用レーンから非接触で入場も
⑪テレビショッピングの雄が社運をかけて挑む一大事業
■スポーツ振興を通じて民間主導の地域創生に挑む
「長崎スタジアムシティ」は、ジャパネットグループが取得した造船工場跡地を再開発し、サッカースタジアムを中心にアリーナ・ホテル・オフィス・商業施設など設けて巨大な街づくりに挑戦するプロジェクトだ。所有するプロサッカーチームの「V・ファーレン長崎」がホームとして使うスタジアム(約2万席)をはじめ、B3リーグのプロバスケットボールチーム「長崎ヴェルカ」のホームでありコンサートやイベント会場の機能も備えた可変型アリーナ(約6,000席)を、メイン施設として設置する。
総合複合施設として、県内最大級のオフィス棟最上階にはスタジアムを一望できる入居企業専用ラウンジを設置。サッカーの臨場感あふれるスタジアムビューや、長崎ならではの食材や料理を楽しめる体験型ホテルを併設する。アウトモール型店舗や長崎の魅力を伝えるセレクトショップ、地元ならではの味を気軽に楽しめる名店街、イベント・グッズショップ、習い事教室、温浴施設などを完備。日本初となるスタジアム上空を通過するジップラインの設置も予定している。
V・ファーレン長崎や長崎ヴェルカの試合をはじめ、ショップ、飲食店などの接客や運営もグループの社員やスタッフが担当。地元に大きな雇用を生み出し、民間主導の投資を通じて収益化が可能な地域創生モデルの確立につなげたい考えだ。地域の理解を得ることや運営の効率化・IT活用を目指していることから、スポーツ庁と経済産業省が定める「多様な世代が集う交流拠点としてのスタジアム・アリーナ」に選定されている。
■完全キャッシュレス化により効率的・安心なサービスを提供
長崎スタジアムシティを運営していくうえで大きな柱となる事業が、「完全キャッシュレス化」だ。キャッシュレスならではの効率的で安心なサービスを来場者に提供することを目指し、2020年8月に「長崎キャッシュレスプロジェクト」を立ち上げた。現金の受け渡しをなくすことで会計時における接触時間が短縮でき、コロナ対策の強化にもつながるとしている。
さらに、海外の多くのスタジアムでは完全キャッシュレス化が進んでいることもあり、コストを抑えながら効率を上げられると判断したとみられる。データ分析を重視する通販企業の本領を発揮し、利用者の購買情報データなどを商品・サービスのマーケティングに活用していくのではないだろうか。
■多機能決済端末や独自プリペイドカードを導入しプロジェクト展開
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