2022年10月7日18:35
凸版印刷は、自治体や地域の商工会議所、商店街などが発行する地域通貨やプレミアム商品券などをキャッシュレス化する決済プラットフォーム「地域Pay」を2019年に発表し、これまで全国で10以上の自治体等向けに、プリペイド型カードや決済専用アプリを提供しているという。今回、「地域Pay」の新たな機能として、利用者に対する自治体等からのお知らせやクーポンの配信に加え、独自通貨やポイントの残高確認やクーポン利用実績などの管理アプリを生成・運用できる「地域Pay共創型アプリ」を追加した。これにより「地域Pay」が地域のコミュニケーションツールへとバージョンアップするという。
「地域Pay」により生成された管理アプリの初めての導入事例として、ふくいのデジタル(福井県福井市)が、10月7日に地域通貨決済アプリ「ふくアプリ」を発行することが決定している。同社は、10月7日~9日に、福井県鯖江市・越前市・越前町で開催される工房見学イベント「RENEW(リニュー)/2022」に合わせ、「ふくアプリ」を使い、イベントで物販や工房体験などの支払いに利用できるプレミアム付きデジタル商品券「RENEW Pay(リニューペイ)」を発行する。
「地域Pay共創型アプリ」の特委長として、「地域Pay」のユーザーである自治体等は、住民に提供する独自のペイメントアプリに、自治体や商工会議所など運営管理者から住民に向けた情報配信サービスを追加で実装できるようになる。これにより、スタンプラリーや給付金など、地域の経済を活性化させるサービスの告知が、実際に支払いに使うペイメントアプリで受信できるようになるそうだ。
また、利用者は、地域通貨やプレミアム付き商品券などの決済という基本機能に加え、加盟店からのタイムセールのお知らせや、商店街としてのスタンプラリーの告知、自治体からの給付金に関する通知など、複数の発信元からの情報を、自治体が発行するペイメントアプリ上ですべて受け取ることができる。
なお、今回の追加機能は「地域Pay」の標準機能としてアップデートされるものなので、自治体等のユーザーは追加料金を負担する必要はないという。
また、次期バージョンアップ時には、タクシーや「オンデマンド型乗り合いバス」などの予約、運賃の決済機能を追加する予定だ。
価格は、小さな市町村でも導入できるように運用コストを抑えて提供するという。管理運用費は月額数万円程度から(プラットフォーム保守・運用費用)となっている(初期導入費用、カード発行、アプリ開発費用等は別途見積、マイナポイント付与機能はオプション・別途見積)。
凸版印刷は、2026年度までに、全国すべての自治体の10%に相当する170の自治体への「地域Pay」導入を目指す。