2023年3月16日7:10
三井住友カードは、アド・セイルと協力し、行政・自治体向け観光マーケティング支援サービスの提供を開始した。
同サービスの提供を通じ、行政・自治体が行う国内外の観光誘客プロモーションのターゲティング、送客および広告配信や、「稼ぐ力」の可視化を含む効果検証を一気通貫でサポートし、データに基づく観光マーケティングを目指す。
アフターコロナを迎えつつある中、2022年10月には入国者・帰国者に対する水際対策が大幅に緩和され、国内旅行者のみならず、外国人観光客も増加の一途を辿っている。2023年5月にはG7広島サミット、2025年には大阪万博と世界が注目する大型イベントを控えており、政府は2030年における訪日外国人の目標を6,000万人と設定するなど、今後もさらなる増加が見込まれる。
こうした状況において、観光庁は「観光再始動事業」や「地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化事業」などを通じ、国や全国の各行政・自治体による観光資源を活かした産業の育成や、消費の拡大・単価向上を推進している。一例として、ツーリズムおおいたでは、大分県からの受託事業としてマーケティング機能の強化および、今後の観光施策に役立てるため、各種調査事業を行っており、三井住友カードとアド・セイルは、大分県における観光消費動向調査・分析業務を受託した。分析結果は、ツーリズムおおいたの会員向けサイトで公開され、データドリブンなマーケティングが行われているそうだ。
一方で、コロナ前後で観光客の行動には大きな変化が見られる。三井住友カードと日本総合研究所の訪日外国人のクレジットカード消費動向レポートによると、服飾小物ブランドにおける2022年12月のカード決済額はコロナ前比で144%であるのに対し、百貨店における決済額は43%にとどまっている。こうしたニーズの変化により、各行政・自治体の施策と観光客のニーズにミスマッチが発生する恐れも指摘されている。来訪元などの旅行者の属性に合わせた、より戦略的なマーケティングアプローチが求められているとした。
また、政府がEBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング)の推進を行う中、各行政・自治体はデータや根拠に基づいた施策の計画・実行や、住民を始めとするステークホルダーに対する、成果の説明責任を果たすことも求められている。
三井住友カードとアド・セイルは行政・自治体に求められる、データに基づく戦略的なアプローチとして行政・自治体による観光マーケティング施策をサポートすべく、同サービスを開始した。同サービスは、行政・自治体が観光振興を目指す際に、①キャッシュレスデータを用いて観光消費を分析し、その結果を元にターゲティング ②送客および広告配信 ③送客および広告配信の結果を、観光消費額で効果検証するサービスとなる。今後も両者の協働により観光マーケティングに関わるマーケターの課題解決に向けサービス開発を続けていきたいとした。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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