2023年4月27日14:20
Datachainと三菱UFJ信託銀行は、2022年9月に発表した「ステーブルコインによるデジタル証券のクロスチェーン決済の商用化」に向けた技術提携や、2023年3月に発表した「ステーブルコイン間の滑らかな相互移転・交換の実現」に向けた技術提携を行ってきたが、このほど「デジタル証券のクロスチェーン決済」における第1ステップである技術検証に成功したと発表した。
今回の技術検証では、ステーブルコイン発行管理基盤「Progmat Coin」のブロックチェーン層の1つであるCordaと、「Progmat」以外のデジタル証券を扱うブロックチェーン基盤を想定したGoQuorumを相互接続し、両ブロックチェーン上のトークンの同時移転を実現した。
「Progmat Coin」基盤を用いたクロスチェーンの取り組みとしては、ステーブルコインとデジタル証券のDVP(Delivery Versus Payment)決済、ステーブルコイン同士あるいはステーブルコインと地域デジタル通貨等のPVP(Payment Versus Payment)決済の双方があるが、今回は前者のDVP決済に関する取り組みとなる。
法規制に準拠するステーブルコインによるデジタル証券のブロックチェーンを跨いだ決済(クロスチェーン決済)は、グローバルでも最先端の取り組みとなるそうだ。
技術検証の結果、CordaとGoQuorumという異なるブロックチェーン基盤間で、高い拡張性とトラストレスな構造を有した上で、それぞれのブロックチェーン上のステーブルコインとデジタル証券の同時移転が可能であることが確認された。
なお、今回の技術検証では、ブロックチェーン間の通信プロトコルであるIBCや、安全性に加えて効率性・拡張性に優れたブロックチェーン間の相互接続を可能にするミドルウェアLCPを用いたという。
「Progmat Coin」基盤を用いた各種ステーブルコインは、2023年の改正資金決済法施行を踏まえ、取り扱う仲介業者がライセンス登録を完了し次第、発行・流通が可能になる予定だ。
今回の技術検証では、ブロックチェーン基盤の1つとしてCordaを採用しており、Cordaの開発元である米国のR3 HoldCo LLC(R3)の協力のもとで実施した。R3は、CordaとEthereumやEVM互換性のあるブロックチェーンとの相互運用性を、最も重要なアジェンダの1つとしており、今後も同領域での連携を協議していく。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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